あれこれdiary

海自OBによる偏見御免徒然あれこれdiary

三宅由佳莉さんの遠洋練習航海(最終レグ)

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 我が練習艦隊は、環太平洋行動における全ての訪問日程を終え、本朝(2019年10月18日(金))、グアムのアプラ港を出港し、横須賀に向けた最終レグに入ったものと思われます。

 グアム滞在中の練習艦隊音楽隊の動画や写真を探していますが、未だ見つかっていません。アウトレットモールのフードコートで開催されたランチタイムコンサートが、どんな感じだったのか気になりますね。

 最終レグの航程は約1400マイルですので、SOAを12ノットで切れば約5日、10月23日には横須賀港外の検疫錨地に投錨し、通関手続き等、入国に必要な諸手続きを行いつつ最後の化粧直しを施して、24日の入港に備えることになります。

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 通関手続きと言いましたが、練習艦隊に所属している隊員には公用旅券は発行されていません。もちろん公務ですから私用のパスポートも使っていません。

 軍艦が訪問国の同意を得て入国する際には、乗員個々の入国審査そのものが不要ですので、旅券は必要ないのです。とは言え、上陸中に自分の身分を問われた場合に備え、臨時のIDカードが配布されます。これがどのような位置付けなのかよく覚えていないのですが、私が遠洋航海に参加した際に配布されたIDカードは「こんな子供騙しのような紙切れに何か効力があるのか?」と思えるようなものでした。今も同じようにIDカードが配布されていると思いますが、少しはそれらしいカードになっているのではないでしょうか、わかりませんけど。

 そのようなわけで、帰国に際しても当然入国審査はありませんが、税務当局による税関検査は行われます。尤も、原則として書類検査だけですので、よほどのことがない限り、実地検査が行われることはありません。海上自衛隊の部隊に対する信頼というものが背景にはあるのでしょう。

 それはさておき、横須賀に入港し、帰国行事が終わると、実習幹部はそれぞれ発令された部隊へ向かい、任務に就くことになります。その人事発令はいつ行われるのかと言えば、そうですね、おそらく1週間前くらいじゃないでしょうか。そしてこの最終レグにおいて、各実習幹部に対し初めての任地が通知されるのだと思います。

 希望が叶った者、叶わなかった者、結果は様々でしょうが、どの道を行ったって同じこと、いずれそのことが分かる時が来るでしょう。

 

 そして、練習艦隊音楽隊の皆さんです。19名という小編成ながら、日本国を代表する吹奏楽団として、実に多様な任務を済々と、そして立派に成し遂げて来られました。もちろんこれまでも互いに顔を見知った仲でしょうけど、この5か月間、文字通り寝食を共にしながら任務に当たったことにより培われた、まるで同期生のような強い絆というものがあるはずです。

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 思うのですが、毎年編成される練習艦隊音楽隊という、海自だけに与えられた機会が、6個の音楽隊の間の強い連携と、高いレベルでの演奏技術の平準化を可能にしているのではないでしょうか。今回、三宅由佳莉さんが参加されたことで、練習艦隊音楽隊の動向をフォローする機会を得たことは、大変意味のあることだったと思います。

 もう終わってしまうのか、なんだか本当に寂しい気がしますね。