あれこれdiary

海自OBによる偏見御免徒然あれこれdiary

赤れんがパークでの演奏会…スピンオフ①

 2019年の観艦式は、台風19号がもたらした甚大な被害に対応するため、中止とされました。残念に思われる方も少なくないとは思いますが、被災者救援は自衛隊の本務の一つですので当然の決定でしょう。現在、「いずも」型の2番艦である「かが」が福島県沖に展開し、被災者の救助に当たる海自ヘリコプターの洋上プラットフォームとして運用されています。

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 東日本大震災での教訓から、このような運用も想定されて建造されたこの巨大な護衛艦が、まさにその本領を発揮しているわけです。もちろん、このような形で力を発揮しなければならないような事態が起きないに越したことはありませんが、現実を踏まえた「具体的な手立て」がいかに重要であるかをよく示していると思います。

 下の動画は、去る10月6日(日)、観艦式に先立つ付帯行事として行われた「フリートウィーク」での一般公開のため、横浜の大さん橋に係留中の護衛艦「いずも」を「潜水士」さんが撮影し、提供してくださったものです。「潜水士」さんはこの日、横須賀でのイベントをご覧になり、横須賀音楽隊の演奏会を聴いた後、横浜に進出して、赤れんがパークで行われた東京音楽隊の演奏会も聴くという、ダブルヘッダーを敢行され、演奏会の後、「いずも」が出港するまで見送られたそうです。

 このアングルから左右にパンすると、この護衛艦の巨大さがよく伝わります。「潜水士」さんありがとうございました。

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 観艦式は、その予行も含め一切行われることはありませんでしたが、「フリートウィーク」のイベントにはたくさんの人が詰めかけ、海上自衛隊と国民の皆さんとの交流の場として大きな成果が得られたのではないかと思います。

 救命・救助フェーズから、次第に生活支援フェーズに重点を移しながら、今次の災害派遣も長期にわたることが予想されますが、派遣部隊は、支援を必要とする被災者の皆さんのため、力を尽くしてくれるものと信じます。

 今回は、演奏会のスピンオフ記事としては、ちょっと毛色が変わっていますが、フリートウィークのイベントとして行われた赤れんがパークでの演奏会と「いずも」の一般公開から、同型艦である「かが」の活躍が自然に連想されたものですから、このような形の記事となりました。