あれこれdiary

海自OBによる偏見御免徒然あれこれdiary

東京音楽隊の木曜コンサート 令和元年(2019)

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 東京音楽隊の木曜コンサート(新宿三井ビル)に行ってまいりました。

 10連休明けで、「果たして休みが取れるのか?」状態でしたが、昨日報告したとおり、赤坂での水曜コンサートで、三宅由佳莉さんと中川麻梨子さんが、この3月に相互交代する形で異動となっていたことがわかり、新編成の東京音楽隊がどんな感じになるのか、どうしても生演奏が聴きたくて、時間休を6時間ほどむしり取って新宿へ向かいました。

 当初、空いているテーブルがなかったので後方の噴水の縁に座っていたのですが、もともとランチタイムコンサート目当てではなかった方々があちこちで席を立つ姿が見られたものですから、右端の二列目テーブルに席を確保することができました。

 どんな感じになるのかなと、そればかり気になっていたものですから、プログラムが配布されていることにも気づかず終いでした。終演後に、よくコメントを寄せてくださるモンスターさんと出会い、手持ちのプログラムを撮影させていただきましたが、なんと、昨年2月の定期演奏会の音源CDも併せて配布されていたとのこと∑(゚Д゚) それがあれば、動画仕立てにして生音源での再現ができたものを(≧∀≦)

 言っても後の祭り(´-`).。oO

 気を取り直して、プログラムです。

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 指揮が樋口隊長ではなく、本田航司・2等海尉となっています。2等海尉とは帝国海軍では海軍中尉に相当する階級です。伸び盛りで勢いのある若手士官というイメージですね。本田2尉の指揮は初めて拝見しましたが、個性豊か、かつエネルギッシュでメリハリがある、そんな印象を受けました。今後の活躍が楽しみです。「大将はどうした?」…樋口隊長もちゃんとステージの上にいらっしゃいましたよ。でも、今回は最初から最後まで、パーカッションのプレーヤーに徹しておられました。以前から、指揮台を放り出して、演奏したがる傾向が見られましたが(笑)、今回は完全に演奏に没頭しておられましたので、きっと幸せなひと時を過ごされたんじゃないでしょうか。演奏している樋口隊長もイケてます(╹◡╹)

 

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 コンサートは祝典行進曲で幕を明けました。この曲は、上皇陛下が皇太子時代、美智子様との御成婚に祭し、團伊玖磨さんが作曲された作品ですが、威風堂々としつつも軽やかで、皇室に相応しい「和」のテイストも滲むメロディから、至る所に喜びが満ち溢れているイメージがとめどなく湧き上がる名曲です。

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  演奏に先立ち、令和の世を迎えたことを祝して演奏すること。この曲は、後に吹奏楽コンクールの課題曲となったこともあることや、コンサートの最初に勢いをつけるコンサートマーチとしても人気の高い曲であることなどが紹介されました。

 MCは、荒木美佳さんではなく、このところメキメキと腕を上げてきた河口侑也さんです。一昨年、防衛医科大学校・並木祭の時にはまだぎこちなさが目立ちましたが、今は全く安心して見ていられます。努力の賜物に違いありません。

 

 続いて演奏されたのは、米海軍の公式行進曲「錨を上げて」のサンバ・バージョンです。河口MCの説明によると、このバージョンは海上自衛隊の音楽隊以外は演奏できないとのこと。おなじみの名行進曲が、こんなに楽しい楽曲になるんですね。

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 3曲目は、「君の瞳に恋してる」です。プログラムにも明記してあるとおり、大川好さんのフルートソロが披露されました。演奏前に河口MCがフルートにまつわる話の中で「ステージ上のフルート奏者をご覧になってもわかるとおり、気品溢れる感じがしますね」と言ったところで、会場内にとても暖かい笑いが起きました。「確かにそうだけど、面と向かって言われると気恥ずかしいんじゃないの?」という笑いです。私の席からは目黒さんしか見えませんでしたが、隣の大川さんや田中さんと何やら言葉を交わして笑ってました。このような語りで、会場の気持ちを一気に掴めるところに、河口さんの長足の進歩が感じられました。

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  大川さんのソロは、演奏内容ももちろん素晴らしいのですが、ステージ上での身のこなしも素敵でした。間奏中も体全体でリズムを取りながら曲を楽しんでいる様子が、観ているこちらまで楽しくしてくれます。

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 そして、演奏が終わり、拍手にお辞儀で応えた後に手を振ってくれました。これ、以前サックス奏者の在川詩織さんがソロ演奏の後によくされていたのですが、最近振ってくれないのでなんだか寂しいなぁと、過去記事で何度か呟いたことがあるほど大好きな私にとっては、最高に嬉しい瞬間でした。何というか、「心を込めて一生懸命演奏したよ、みんなも拍手してくれてありがとう!」っていう気持ちが伝わって、心温まるんです。勝手に、在川ウェービングと呼んでます。

 ところがです、大川さんだけじゃなかったんです。その後も、ソロで演奏されたみなさんが、在川ウェービングをしてくれました。ソロ演奏の後にはそうしようと、皆さんで申し合わされたのかも知れません。東京音楽隊のスタイルの一つとして根付くといいな、と思いました。在川さんも、次はやってくれるかな。

 

 4曲目は「クマーナ」、これもよく耳にする曲ですが、曲名は知りませんでした。とてもノリの良い曲で、思わず体がリズムを取り出します。

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 さて、昨日は赤坂会場に500名もの聴衆が詰め掛けたとのことですが、今日はどうなんだろうと、後ろを振り返りますと、まさに鈴なりとはこのことだと思いました。

 さすがにテーブル席の周りに立つ人はいませんが、私が会場入りした頃にはまばらだった噴水周辺にはびっしりと人垣ができています。やっぱり人気ありますね。

 

 5曲目、いよいよ中川麻梨子さんの登場です。この曲紹介で、河口さんが、「今年3月に東京音楽隊に配属された中川麻梨子・3等海曹」と紹介しました。昨日の水曜コンサートで衝撃が走った瞬間ですね。

 この曲だけは、私も単曲動画を撮影しましたので、YouTubeにアップしたものをここに貼らせていただきます。他の方が素晴らしい動画を上げてくださっていますが、ここだけは、どうしても自分で撮影した動画を貼りたいのです。

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  中川さんの歌声は、昨年の音楽まつりで、聴いてはいましたが、ソロでの熱唱を生で聴くのは初めてでした。声質も表現の仕方も、三宅由佳莉さんと中川麻梨子さんでは全く異なります。どちらも、ご自分の持ち味を最大限引き出すための努力を続けておられるのですから当然そうなりますし、それぞれに大変魅力的です。

 今回、東京のバンドを背に歌われる中川さんを拝見して、東京音楽隊に新たな持ち味が加わり、熟成していくであろうことを確信しました。今後が楽しみです。

 因みに、この曲の終盤には、中川さんの歌声に引き寄せられるように、会場脇の階段部分にも外国人観光客と思しき集団を含む多くの人が詰め掛けて耳を傾けていました。

 

 続いて、6曲目、最終曲目は、チック・コリアの「スペイン」です。この曲では、演奏中ステージ左袖に控えている河口MCと中川さんが、パーカッション(マラカス?)の演奏に合わせて両手を擦り合わせて演奏に参加している様子がとても楽しかったです。色々新しいことを仕掛けてきますね。そして、田中英暢・2等海曹のフルートソロと、多田宏・1等海曹のサックスソロが披露されました。

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 河口MCによると、サックスの多田宏さんは、今年で定年を迎えられるとのこと。これまで、様々な演奏会において華麗なサックスソロで私たちを楽しませてくださった多田さんが退官されるのは寂しい限りです。演奏会が終わった後、多田さんとお話をする機会がありましたので、これまでの華麗な演奏への御礼を申し上げました。お聞きしたところ、今年の秋口に退官されるとのことでした。定年付発令を考慮すれば、多田さんの演奏が聴けるのも今年の夏までということになります。残念ですが、こればかりは仕方ありません。

 

 そして、アンコール曲は、もちろん「軍艦」です。

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 撮影部隊の皆さま、ご苦労様でした。全曲が揃いましたので、記事に埋め込みさせていただき、投稿します。

 なお、今回もスピンオフが結構ありますので、明日以降、逐次公開していきます。お楽しみに。