あれこれdiary

海自OBによる偏見御免徒然あれこれdiary

みらいからヤマトまで

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 平成の世もあと3日を残すのみとなりましたね。皇位継承に伴う特別の祝日も含め、10連休という破格のゴールデンウィークがいよいよ始まりました。もちろん、この期間もお仕事に就かれる方も少なくないと思いますが、カレンダー通りにお休みとなる方々の中には、この期間をどう過ごすか、途方に暮れている向きもあるのではないでしょうか。趣味らしい趣味もない「独居老人」の私もその一人です。

 とりあえず、このブログを始めてから視聴する機会が格段に増えたYouTubeの動画をゆっくり楽しんでみようと思い、普段気になってはいても、時間が限られている中でハマることを恐れてなかなかクリックすることができなかった動画を昨夜から集中的に視聴してみました。

 「かわぐちかいじ」さんの「ジパング」は、まだ現役の頃に全編を視聴したことがあるのですが、その動画は全て削除されてしまっているようです。今アップされているのは英語吹き替え版だけですが、オリジナル版の感動を思い出しながら楽しむことができました。RIM-PAC演習に参加するためパールハーバーに向かうイージス艦「みらい」が、ミッドウェー沖で1942年6月にタイムスリップするという設定には賛否様々なご意見があるようですが、作者が描きたかったのは自衛隊が抱える根本的な矛盾であって、それを炙り出すための設定が日米戦ということなのだと思います。

①第1話〜第13話

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②第14話〜第26話(サムネイル画像が前半と同じですね(≧∀≦))

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 ジパングに続き、やはり「かわぐちかいじ」さんの作品から「沈黙の艦隊」を観てみました。

 これもやはり、荒唐無稽と言えばそれまでというシチュエーションの中で、自衛隊がそして日本国が直面する根本的な矛盾を見事に描き出しています。原作が書かれたのはもう随分と前のことですが、雑誌に連載されていたこの作品は、現役の自衛官にも問題を突きつける存在でした。アニメもよくできており、引きこまれます。連休の時ででもないと、ハマるのが怖くて観れないです(≧∀≦)

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 かわぐちさんが描く海自関係の作品は、テーマ設定がシャープであるだけでなく、用語や装備品類のディテールが実によく描かれているため、余計なツッコミをする必要もなく、安心して作品を楽しめるのがありがたいです。

 そして、5月24日(金)には、「空母いぶき」が劇場公開されます。アニメではなく、実写版です。下は予告映像ですが、リアルな映画に仕上がっているようです。

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 かわぐち作品も素晴らしいのですが、今日は、東京音楽隊とも縁の深い「宇宙戦艦ヤマト」のオリジナル劇場版を観てみました。私が高校1年か2年の頃にテレビ放映されていた「ヤマト」ですが、動画をちゃんと見るのはその時以来ということになります。

 この劇場版は、テレビ放映版をもとに編集したものではないかと思います。大きなストーリーの流れの中に、テレビ放映版で描かれた沢山のエピソードが「こんなこともあったんだよ」風のナレーションとともに散りばめられていて、ちょっとした違和感を感じるところがまた、いい味にもなっています。

 40年も前の作品ではありますが、沖田艦長や古代進をはじめとする登場人物のちょっとした仕草や言葉には、今でも感動させられるものが沢山ありますね。また、沖田艦長が敵将と相互に敬意を払いあう場面は、松本零士さんが心に描く理想の武人像なのだとも思います。

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 憎い敵であったガミラス星を、死闘の末滅ぼしてしまった後の古代進と森雪の悔恨のシーンなどは、世界に向けての普遍的なメッセージとして秀逸です。

 たくさんの強いメッセージが込められた素晴らしい作品であることを、40数年ぶりに拝見して改めて感じましたし、半世紀近くたった今でも世界中で愛され続けているのも頷けました。

 長い休みで無聊を囲っておられる方がいらっしゃいましたら、一つ腰を落ち着けてご覧になってみてはいかがでしょうか。