あれこれdiary

海自OBによる偏見御免徒然あれこれdiary

氷雨ものかは、東京音楽隊の心温まる応援演奏@東京マラソン2019

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 市ヶ谷駅から地上に出ると、予想以上の寒さです。雨も、小雨とは言えんなぁという感じです。体感も、目に入る風景も「冷え切ってる」としか言いようがありません。

 コースが比較的フラットで記録が出易いと言われる東京マラソンですが、このコンディションはランナーにとって過酷です。そしてもちろん東京音楽隊にとってもです。

 交通規制の開始時間が迫っていることもあるのでしょう、たくさんの白バイが出動していました。白バイファンにはたまらない光景ですね。動画撮っておけばよかった。

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 そして、歩道上ではこれまたいくつものボランティアの集団が、至る所でスタッフからの説明を受けていましたし、シルバーボランティアと思われる方々が歩道と車道の間に規制線のテープを張る作業に当たっていました。

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 このような作業が、コース全体で行われているのですから、一体どれほどの人数が投入されているのか見当もつきません。寒空の下、準備に当たられた皆さま本当にご苦労様でした。

 さて、防衛省正門に向かいます。途中、右側に「グランドヒル市ヶ谷」があります。これは防衛省職員共済組合の施設で、ホテルと宴会場、チャペルが備えられており、一般の方ももちろん利用できますし、結構人気があるようです。

 写真は撮りませんでしたが、そのチャペル前に消防車が一台停まっていたので、何だろうと思っていました。先日横須賀のふれあいフェスタでお会いした東京消防庁の佐藤さんが今回も来られていたので、お聞きしてみました。佐藤さんによると、マラソンのような大イベントで交通規制が行われる場合には、消防車の行動が制約されるため、事実上陸の孤島となる地域には消防車と人員を予め分散配置して万一の火災に備えるのだそうです。なるほど、このようにして私たちの生活の安全が図られているのです。まさに危機管理ですね、納得しました。

 正門前にはすでに斎藤さんが来られていました。いつも早いですね。斎藤さんによると「あと20分早かったら三宅さんに会えたのに」とのこと。はて、吹奏楽だけなのに何故に三宅さんが? 樋口隊長は「歌も歌わないのに冷やかしで来てるんだよ」とか仰ってましたが、現場であれこれ耳にした情報を総合すれば、取材受けの仕事があるため、おそらく海幕広報室の担当とともに防衛省から出発したのではないかと思われます。真偽のほどはわかりませんけど。

 ちょっと脱線するのは私の持病です。

 防衛省正門前の広場(というか空き地)は、元々狭いのですが、東京音楽隊の演奏のためのスペースは、さらにその三分の一程度。「こんなに狭いの?」と驚きました。過去の動画で見ると結構広そうに見えるのですが、映像のマジックというやつでしょう。

 こんな感じです。

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 この寒空の下、雨に濡れながら演奏するのか、大変だなぁ…と思っていましたら、左手の方に準備されていたテントが二つ運び込まれて設えられたので一安心しました。

 それでもこの寒さ、指が動かないんじゃないでしょうか。大丈夫かな?

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 テントの設えが続けられている中、隊員の皆さんが出て来られました、多くの隊員は制服の上に「雨衣(あまい)」を着用されています。雨衣とはレインコートのことですが、海上自衛隊の服装規則で「雨衣」とされているので、当然そう呼びます。おそらく陸・空自も同じだと思います。

 それにしても、音楽隊の皆さんはいつも身なりをきちんとされていますね、自衛官として厳しく躾けられているのは確かですが、やはり人前に出る仕事ですから、通常以上に気をつけておられるのだと思います。こんな雨の日でも、靴がピカピカに輝いていますね。現役の頃の自分に「少しは見習え」と言ってやりたいです。

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 今回の演奏では、樋口隊長は指揮を副長に任せ、脇から見守られるとのこと。「晴れ男が振らないから雨が上がらないじゃないですか、一曲でもいいから振ってくださいよ」と馴染みのファンからのリクエストもありましたが、「一曲だけ振って、その時本当に雨が上がったりしたらどうする」「伝説になっちゃいますね」などと面白おかしいやり取りでかわす場面などもありました。こういう対応や雰囲気作りがとても上手な方だと思います。隊員の皆さんも、安心して伸び伸びと演奏できるんじゃないでしょうか。

 そんな樋口隊長も、なかなか拝見する機会のない「雨衣」姿でしたので、写真を撮らせて下さいと御願いしたところ、「一緒に撮りましょう」と、ツーショット撮影をして下さいました。なかなかお願いし辛いところを、隊長から言って頂けるなんて感激ですよね。

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  さて、いよいよマラソンのスタートです。ここから先は、氷雨降る中、今回もスマホ撮影を敢行致しましたので、動画でご覧ください。何しろ、左手で保持しつつ右手でスマホを雨から守るという、不自然な体制での撮影ですので、お見苦しい点も多々あるかもしれませんが、ご勘弁を(≧∀≦)

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 曲目は、動画を観ていただければわかりますので、特に書きませんが、「走れコウタロー」と「リゲインのテーマ」では、思わず笑ってしまいました。いいセンスしてるなーと思いつつ、コウタローなんて、一体誰の発案なんだろうと思いました。

 リゲインのテーマは、まだバブルの勢いが残っていた頃のCMソングですが、「平成の軍歌」とまで言われ、大人気でしたよね。

 レベッカの「フレンズ」なども、「へぇ」と思いました。選曲のプロセスを見てみたいものですね、とても興味があります。

 そんな、考え抜かれた応援曲も素晴らしのですが、今回現場に行ったことで、ランナーの皆さんの反応を直に知ることができたのが大きかったです。

 最初に物凄いスピードで走ってくるトップランナー集団は、何しろ記録に挑戦されていますから、脇目も振らぬ勢いで走り去って行きました。曲が進むにつれ、余裕を持って走るランナーが増えてきます。そうすると、音楽隊の演奏に対して歓声を上げたり、拍手を送る人、「ありがとう!」と叫んで行く人も少なくありません。

 面白かったのは「音楽隊長に対し、頭中(かしらーなか)」というエールでした。隊員の皆さんも受けてました。

 隊員の皆さんは、演奏の合間ももちろん、演奏中でも自分のパートが空いている時にはランナーの皆さんに盛んに手を振って応援されていました。楽器演奏されている隊員さんはテントの下ですが、サポートに回った隊員さん達はテントの外で冷たい雨に打たれながらも、満面の笑顔でランナーに手を振り続けていました。

 なんて言うんだろう。応援演奏と、走っているランナーの皆さんとの接点はほんの一瞬しかありませんよね。それでも、そこにはとても暖かい心の交流が成立しているのが分かり、撮影しながらとても感動しました。やっぱり現場でなければ感じられないことはたくさんあります。これからも、現場主義で行こうと改めて思った次第です。