あれこれdiary

海自OBによる偏見御免徒然あれこれdiary

海上自衛隊東京音楽隊の水曜コンサート2018(その3)

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 一昨日から、東京音楽隊のランチタイムコンサート(水曜コンサート)の様子を順次報告しています。「その1」では、開演前の会場の雰囲気や、図らずも三宅由佳莉さんにご挨拶してサインを頂いたこと、バリピルさんのイラストと三宅さんのツーショットまで撮らせて頂いたことなど、予想外の展開をお伝えしました。

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 「その2」では、三宅由佳莉さんにご挨拶するために列をなす多くのファンの皆さんへの、三宅さんの、とても丁寧で心温まる対応の様子を私のスマホ動画を交えて、また、肝心の演奏会の様子を、h1way2012さんの素晴らしい全編動画を交えて報告しました。

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 さて、通常であれば、水曜コンサートの翌日に新宿で行われたもう一つのランチタイムコンサート(木曜コンサート)の様子を、ネット上の資料や、実際に行かれた方からの情報に基づき整理した記事を書いているはずなのですが、今回は、自分が初めてこの目で見た水曜コンサートのインパクトがとても強いため、とにかくそれを書き切らないと、他のことが手に付かない感じです。

 まず、昨日報告した演奏会で感じたことなどをもう少し書いて見たいと思います。

 h1way2012さんの動画をこちらにも埋めておきますね。

www.youtube.com

 東音単独演奏は前半の3曲だけでしたが、2曲めの「ソーラン・ファンク」は、多分今回が初めての演奏ではないでしょうか。想像の域を出ないのですが、9月6日の北海道胆振東部地震の被災者へのエールという意味を込めた選曲なのではないかと思いました。ただ、わずか6日で、曲をアレンジして練習し、仕上げるなんてことができるのでしょうか。東音なら、涼しい顔をしてやってのけるに違いないと思うからこその想像なのですが、どうでしょう。荒木さんの曲紹介にはそのようなことは一切触れられていませんでしたので、単なる偶然なのかもしれません。一つの謎として残しておきたいと思います。

 この曲では、各パートのソロ演奏も見所でした。

4:30 目黒渚さんのピッコロ・ソロで曲が始まります。

 目黒さんは、どの演奏会でもフルートとピッコロの両方を吹き分ける二刀流です。祭囃子のような音色がこの曲の幕開けにぴったりですね。

 ちょうど隊長の陰だったので、写真は取れませんでした。

6:05 沼田紘之さんのトロンボーン・ソロ

 沼田さんは、私のブログでご紹介するのは初めてです。陸海空音楽隊メンバーによる金管五重奏ユニット「TAX」でも活躍されています。音色が綺麗ですね。

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7:02 在川詩織さんのサックス・ソロ

 最近、演奏会でのソロ演奏の機会がめっきり増えてきた在川さん、格好いいソロが終わった後、会場全体に向かって手を振る姿が爽やかで、私は大好きです。

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7:19 谷口愛奈さんのトランペット・ソロ

 前に出てのソロは久しぶりなんじゃないでしょうか、小柄なのにダイナミックな演奏、そして演奏後の茶目っ気たっぷりな笑顔がチャームポイントです。

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 一人一人の演奏技術が高いレベルで完成しているからこそ、素晴らしい合奏になっていることがよくわかりますし、個々のメンバーと会場の距離感を縮めてもくれるソロ演奏、これからもたくさん聴かせて欲しいと思います。

 ところで、沼田さんのトロンボーン・ソロに入る直前、樋口隊長はステージに向かって左端のパーカッションパートへ移動、ご自分で叩き始めました。樋口さんは、こういうシーンが多いですね、本当に好きなんだな、と思います。

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 さて、そんな充実した演奏会が、アンコールの「軍艦」で幕を閉じた後のことについて見ていきたいと思います。

 演奏が終わったのは、ぴったり予定通りの1250(ひとふたごーまる)です。近くのオフィスから昼休みを使って来られた方々は職場へ戻られますし、ご近所以外から足を運ばれた方々も三々五々会場を後にされますが、やはり名残を惜しむファンの皆さんは、現地に留まり、音楽隊の皆さんが撤収作業をする様子を眺めたり、隊員の方々へのご挨拶をしたりしていました。

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 気づくと、三宅由佳莉さんの姿は見えませんでしたので、隊員控え室の方の片付け等に向かわれたのだと思います。食後の時間を全てファンサービスに費やされた三宅さんは、ご自分のことが何もできていなかった筈です。本当にありがたいことだったと思います。

 会場では、隊員総出での手際の良い撤収作業が展開されています。

 東京音楽隊は、自己完結を旨とする自衛隊の部隊ですから、そのこと自体は当然ですし、私も現役の頃なら特段何も感じなかったと思います。

 でも、部外から音楽家集団である東京音楽隊を見るようになった今、このような設営・撤収作業の手際よさは素晴らしいのですが、心配にもなります。楽器の片付けならともかく、重量物の運搬、積み上げや地面に這わせた各種ケーブルの回収作業などで、手指を負傷しないかが心配なのです。私のような者でも、利き手でもない左手のしかも小指の末節骨が自由に動かせなくなっただけで色々支障が出ているのに、一流の演奏家にとっては、手指に負った小さな傷でも、命取りになりかねないと思うからです。 

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 顔は隠れていますが、上の写真の中央やや左で腰をかがめて作業されているのはどなただかわかりますか? 白とブルーのグローブをつけて作業されているのは、ピアニストの太田沙和子さんです。

 男性でさえ、指先の感覚が狂うからと、鍵盤以外の物にやたらと触れないようにしているというような話すら聞こえてくるピアニストの世界に身を置きながら、グローブを嵌めているとはいえ、荒々しい作業に従事する姿を目の当たりにして、感じるところがありました。

 ありとあらゆるリスクを克服するための目に見えない努力と、細心の注意力をもって、このような日々の作業をテキパキとこなしておられるに違いないと思えたからです。他の皆さんも同じでしょう。

 華やかなステージでは決して見せることのない、このような裏方での皆さんの姿を見ることができるのも、ランチタイムコンサートの大きな意義ではないかと思います。

 書きたいことはまだありますが、とりあえず「その3」はこれで締めます。