あれこれdiary

海自OBによる偏見御免徒然あれこれdiary

東京音楽隊の驚きの演奏会

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 すでにプチプレ報告で書きましたが、昨日は仕事を早めに切り上げ、東京音楽隊の演奏会を聴くために昭和女子大学人見記念講堂に向かいました。渋谷駅の殺人的雑踏を避けるため、中目黒から三宿経由徒歩で向かいます。暑かったですけど、比較的カラッとしてましたから苦にはなりません。

 16時半頃人見記念講堂に着くと、外装工事中らしく、ブルーシートで覆われたちょっと残念な姿でした。

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 ロビーには東京地本世田谷区募集案内所のブースが設けられており、所長と思しき3等陸佐の女性自衛官と、陸海空曹各1名の広報官がおられました。「せたがやインクルージョンフェスティバル」への東京音楽隊の出演は、今回が初めてだそうです。私は、馴染みの深い制服を着用している海自の女性広報官・各務裕美さんと色々とお話しをさせていただきました。厚木基地で航空機整備員としてキャリアを積んでこられたそうです。とても楽しく、サービス精神の旺盛な方でした。今回もまた、一つ出会いをいただいた感じです(各務さんから、実名使用の許可を頂きました)。

 17:30開場予定で、「現在東京音楽隊のリハーサル中なので入れません」とのことでしたので、どこかに東京音楽隊の車両がないかなと思ってキャンパス内を少し歩くと、実にあっけらかんと、例の楽器車が大型バスと並んで駐めてあります。実物は初めて見ましたが、目立ちます。カッコ良いです。

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 ロビーに戻り、プチ報告を書きながらソファで時間が来るのを待っていると、向こうの方の入場口付近に数人が並び始めています。よく見ると、先回の「陸海空合同演奏会」で一緒に並んだ斎藤さんと、藤沼直樹さんのファンの女性(おそらく、Twitterによく投稿されている”Rose"さんだと思われます)の姿がありました。やっぱり、こういう機会は絶対に逃さないんだな。私も近づきご挨拶。

 こうして、またみんなで最前列中央の席を確保しました。というか、最前列中央のシート群に座ったのは、私たちだけです。振り返って見ても、どこもかしこも空席だらけです。こんなことってあるんだろうか。信じられない光景に、唖然としてしまいました。

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 この写真を撮った後に、制服姿の生徒さんたちのグループがいくつも入場して来られたので、もう少し増えましたが、それでも数百人程度でしょうか。

 「こんな入りでは、音楽隊の皆さんのモチベーションが下がってしまうのでは…」

 私たちがそんなことを心配しているうちに開演の時間となりました。

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 両袖から隊員の皆さんが入場してきます。入りは少ないけど、いや少ないからこそ、客席のみんなは精一杯の拍手で東京音楽隊を迎えます。あ、客席のみんながおんなじことを感じてたんだ… なんかちょっと感動しました。

 左袖から荒木美佳さんが登場すると、一際大きい拍手が起こります。陳腐な表現になってしまいますが、スポットライトを浴びた荒木さんは、ハッとするほど神々しいオーラを放っています。そして、元気な声で「皆さん、こんばんはー!」会場もこれに応えます。そして、

 「暑いですね。今日はなんと40度まで気温が上がったそうですよ。そんな暑さも物ともせず、今日こうして足を運んでくださった”精鋭”のみなさま、本当にありがとうございます。」

 これには舌を巻きました。「精鋭」という言葉を用いることで、「少数」であることを暗示しながらも、現状を完全にポジティブに捉え直し、心配している客席に対し「やるよ!」と喝を入れてくれたのです。荒木さんのこのコメントに、客席は一気に和み、以後の演奏に気持ちを向かわせることができました。すごい人だな、と改めて感心しました。

 そして、喝采に迎えられて樋口隊長が左袖から登場、いよいよ演奏会が始まります。

 第一部は、2020年の東京オリンピックにちなみ、先回の東京オリンピックで使用されたオリンピックファンファーレで始まりました。それに引き続きオリンピックマーチの演奏です。

 モチベーションが下がるどころか、却って気合が入ってるんじゃないかと思えるような力強い演奏です。荒木さんのコメントと言い、この演奏と言い、東京音楽隊マインドセットはヤワじゃないと思いました。「入りが少ないということは、それだけ条件が悪かったはずだ、そんな中集まってくれた人たちに精一杯の演奏を届けよう」開演前にそうした意識合わせがきっとあったんだと思います。そんな思いが音に乗って伝わってきました。

 次の曲目は、ちょっと驚きの「軍艦」でした。今回の演奏会はパンフレットがありませんので、二曲めに「軍艦」が来るとは誰も予想していませんでした。先日の合同演奏会では聞けなかったこの曲を、気合い十分の演奏で楽しませていただきました。皆さん口々におっしゃってましたが、手拍子なしの「軍艦」は珍しいとのこと。不意を突かれた展開だったので、客席は手拍子を入れる間も無く「追いかける」ように、楽曲としてこれを楽しんだのでした。

 3曲目は、大河ドラマ西郷どん」のメインテーマです。ここで三宅由佳莉さんが登場し、ボーカルで華を添えます。今回もまた、手が届きそうなくらいの距離で三宅さんを見上げます。一気に会場全体を制圧するような、圧倒的な存在感がそこにあるのですが、私にはやはり現実のこととは思えません。この症状はいつまで続くのやら…

 そして、今回の注目曲が4曲目の「虹と雪のバラード」です。

 この曲は、アジアで初めて開催されたオリンピック冬季大会、札幌オリンピックのテーマ曲で、男女の人気デュオ「トワ・エ・モア」の歌で大ヒットしました。私が中一の時ですので、よーく覚えていますし、とても懐かしい、美しい曲です。

 この曲を、そうです、三宅由佳莉さんと藤沼直樹さんの美しいデュエットで聴かせてくれたのです。本当に感動しました。

 ご存知ない方もおられるでしょうから、YouTubeから動画を入れておきます。

www.youtube.com

 そして、第一部の最後を飾ったのが、「ネイビート・ラプソディー」です。合同演奏会で初演されたのを聴き、ぜひもう一度聞きたいと思っていたので、とても感激しました。しかも、音響の違いなのか、東京音楽隊の気合いの違いなのか、今回の迫力は半端ないです。斎藤さんはこの曲を聴くのがこれで4回目だそうですが、やはり今回は格別だと仰ってました(斎藤さんは、先日の姫路公演にも行って来られたそうです)。

 第一部での岩田有可里さんは、コントラバスオンリーでしたが、この曲では時折強いピチカートがアクセントになっていました。うわ、すごく激しく弾くんだなと思いながら、演奏姿を拝見しました。

 そんな演奏を堪能し、あっという間に第一部が終わりました。ここで15分の休憩に入ります。

 

 第二部は、ルパン三世のテーマから始まりました。メインテーマと愛のテーマの演奏が行われ、太田紗和子さんのピアノも聴くことができました。

 赤嵜さんのヴィヴラフォンが響くのかと思ったのですが、ブラスメインの演奏でした。いつか赤嵜さんのヴィヴラフォンでのこの曲を生演奏で聴いてみたいです。

 2曲目もアニメから、「となりのトトロ」で使用された曲をハイライトメドレーで演奏します。風の通り道から始まるメドレーは、美しく、楽しく、心を踊らせてくれるような素敵なアレンジで会場を魅了しました。

 3曲目に登場したのは、このところの地方公演で必ず演奏されている「シング・シング・シング」です。荒木さんによると「メレンゲ」というリズムでのアレンジだそうです。これは、思わず体が動き出しそうな、本当に楽しい演奏です。三宅由佳莉さんと荒木美佳さんによる、スイングしながらのデュオも、なんて言えばいいのでしょうか、そこに別世界への入り口が見えるような、なんとも不思議な空間を作り出して秀逸でした。是非また聴きたいというか見たいステージです。

 4曲目は、昨年来の超人気演目と言えばお分かりでしょう。三宅由佳莉さんと藤沼直樹さんによる「美女と野獣」です。私にとっては、もちろん初めての生演奏ですから、一気に期待が高まります。ところが、ここで最前列の悲劇が襲います。

 出だしは左袖から登場した三宅さんがステージの左端で歌い始めます、そして右袖から登場した藤沼さんが右端で歌うのです。これはいかん、最前列では二人の姿を同時に見ることができません。お二人は歌の進行とともに徐々に中央に近づくので後半は大丈夫、そして最後は、お互いに間近で見つめあいながら歌い終えるというこの演出。ミュージカルの一幕を観ているようなこの演目の人気が高いのも頷けます。ロングランになるのではないでしょうか。感動しました。

 そんな感動のステージから一転、5曲目はドリフターズ・メドレーです。楽曲も楽しいのですが、「そこまでやるか」と思うほどの体当たりの弾けぶりは、見ていて気持ちがいいほどです。一流の演奏家集団なのに、客席を楽しませるためなら、こんなことまでできてしまう。凄いんだな。

 東京音楽隊としての単独演奏はここまでです。

 ここで、東京都市大学等々力高等学校吹奏楽部の皆さんがステージに上がり、東京音楽隊との合同演奏に入ります。荒木さんによると、合計100人くらいの大編成となったようです。ステージの上はびっしりです。

 演奏会の最後の曲として演奏されたのは、「オーメンズ・オブ・ラブ」。制服姿の生徒さんたちとそこに何人かOGの方々でしょうか、やはりブルーの統一した服装で、東京音楽隊との合同演奏を楽しんでいる感じでした。それはそうですよね、東京音楽隊と合奏するチャンスなんてそうはありません。

 ここで、樋口隊長は左袖に退きますが、アンコールの拍手が続きます。

 アンコール曲は「宝島」。昨年、この会場で行われた第56回定例演奏会でも昭和女子大付属中高吹奏楽部と合奏した、ノリの良い楽しい曲です。この曲は、等々力高等学校の先生が指揮をされました。とても楽しそうに振っておられるように見えました。

 鳴り止まない拍手に応え、荒木さんが登場、「それでは、盛大な拍手にお応えして、もう一曲?」と会場に問いかけるように話しかけます。もちろん大拍手が起き、「それではこれが本当に最後の曲となります」と紹介されたのが「故郷」です。荒木さんの紹介では、生徒さんたちが歌い、三宅由佳莉さんも一緒に歌うというニュアンスだったので、56回定例のときと同じように、三宅さんがコーラスラインに入るのかな?と思っていたのですが、実質的には三宅由佳莉さんの独唱でした。

 三宅由佳莉さんが歌う「故郷」は、私が大好きな曲です。昔から何回も聴いたり歌ったりしてきたこの曲の、本当の意味だとか良さというものは、三宅さんの歌を聴いて初めて気づかされました。そんな「故郷」を生歌で聴けたことに、本当に感激しました。

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 今回の演奏会、実を言えば、仕事を早仕舞いして駆けつけることに迷いがありました。「せたがやインクルージョンフェスティバル」がどのような催しなのか、全く知りませんでしたので、ネットで調べた「子供たちのためのイベント」という説明から、親子連れでごった返したキャンパス、出入り自由なコンサート会場、そこを埋め尽くす観客、演目は子供向け。勝手にそんなイメージを持っていました。ですから、わざわざ出向いても、会場に入る余地もなくて無駄足かも?と思っていたからです。

 おそらく、今回出足が鈍かったのは、私と同じようなイメージを持った方が多かったところに持ってきて、昨日の猛暑が追い打ちをかけた結果ではないかと思います。

 でも、きっと何かいいことがあるはずだと信じて足を運んだ甲斐がありました。入りが少なかったことで、再び最前列に座ることができ、また東京音楽隊の気合いの入った演奏を十分堪能できましたし、三宅由佳莉さんの生歌を何曲も聴くこともできました。

さらには、なんとも言えない会場の連体感、観客とステージの一体感を感じることのできる素晴らしい演奏会でした。

 諦めずに来てよかった。

 「叩けよさらば開かれん」 肝に銘じました。

 

 最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。演奏会の感動が少しでもお伝えできたなら幸いです。