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三宅由佳莉さんの出会い・・・4人の隊長

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 今回は、三宅由佳莉さんが東京音楽隊に着任されて以来、お仕えした歴代の隊長という切り口で書いてみようと思います。

 隊長ということでは、シリーズ第1回が「作曲家の河邉一彦さん」として、第16代隊長を既に取り上げました。

retcapt1501.hatenablog.com

 今回の記事の主旨は、三宅由佳莉さん、あるいは、三宅さんを抱えた東京音楽隊にとって、各隊長がどのような存在であったのかについて、私なりの解釈を書いてみようというものです。あくまで独断的な私見です。

 三宅由佳莉さんが東京音楽隊に配属された2009年9月、東京音楽隊の指揮を執っていたのは、熊崎博幸さんでした。

 音楽性豊かで大変人気のある隊長でしたし、三宅由佳莉さんが着任したその月に、早速ファミリーコンサートに出演させるなど、ヴォーカリストの起用に関しては積極的な方だったのだろうと思います。ただ、ご自分の引退まで半年余りということもあり、三宅由佳莉さんを、今後どのように起用し、どんな歌手として育てていくのかについては、後任の河邉一彦さんに託さざるを得なかっただろうと想像します。

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 三宅由佳莉さんの着任から半年あまり、2010年2月21日(日)に東京オペラシティ・コンサートホールで行われた、東京音楽隊の第49回定期演奏会が、熊崎隊長の振り納めとなりました。

 

 熊崎隊長の後を継いだのが、河邉一彦さんです。横須賀音楽隊長からの就任でした。

 河邉隊長は、作曲家としても有名で、現役時代に数多くの名曲を生み出しましたが、それらを聴けば、天才肌の音楽家であることがよくわかります。

 そんな、河邉隊長の指導のもと、東京音楽隊はその芸術性に磨きをかけて行きますが、特に三宅由佳莉さんというヴォーカリストを得たことで、吹奏楽と歌の競演という新たなジャンルの開拓に注力されたことは、各方面から高く評価されました。

 そして、東日本大震災が契機となったことは心痛むことではありますが、三宅由佳莉さんの代表曲でもある「祈り〜a prayer」が国民の間に支持を広げ、この曲を通じて東京音楽隊知名度が格段に高まったのは間違いないでしょう。

 あらゆるメディアからの出演オファーが引きも切らず、東京音楽隊の演奏活動は激変します。目も眩むような忙しさの中で、三宅由佳莉さんはもちろんのこと、東京音楽隊の隊員の皆さんは、おそらく、自分たちを見失いかける瞬間があったに違いないと思うのです。それほど劇的な環境の変化だったのです。

 

 そんな様子を、舞鶴音楽隊長として見てきた手塚裕之さんが、河邉隊長の後任として東京音楽隊長の座に上ったのは、同隊のメディア露出がピークを迎えていた2014年3月のことです。

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 私は、手塚裕之隊長の存在というのは、非常に重要であったと思っています。

 謹厳実直なイメージの手塚隊長は、活動の幅が広がり、伸び伸びと発揮されていた各自の持ち味を損ねることなく、言葉は悪いですが、浮き足立ち始めていた東京音楽隊を引き締め、地に足のついた演奏活動にうまく着地させて行かれたような気がしています。つまり、ミュージシャンではない、あくまで使命を帯びた自衛隊の部隊であるということを今一度徹底されたという意味です。

 このようにして、音楽家としての個々の個性を十分活かしながら、使命を自覚した集団としての東京音楽隊が形作られたのではないかと考えています。

 手塚隊長の時代に養われた東京音楽隊底堅い実力というものが、以後の活動を支える基盤になっていると思います。

 

 そして、2016年8月、現隊長である樋口好雄2佐が横須賀音楽隊長から就任されました。

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 樋口隊長は、一言で言えば、エンターテイナーだと思います。交友関係も非常に広いですし、演奏会では、元々パーカッショニストでもあるため、指揮台を放り出し(笑)、自らパーカッションパートに加わって、リズムで指揮を執ったり、演奏途中のパフォーマンスに自ら参加したりと、演奏会を盛り上げる手腕は一流です。

 米国のジョン・フィリップ・スーザ財団から「ジョージ・ハワード大佐顕彰」(スーザ賞)を2度も授賞されている実力派でもあります。

 樋口隊長が就任されてから、ニコニコ超音楽祭への出演などもあり、東京音楽隊にはまた新たな引き出しが増え、エンターテインメントというものが充実してきたように思います。

 大学卒業年が私と同じなので、今年度中に定年退官を迎えるはずですが、誕生日がいつなのか承知していませんので、時期は不明です。もっと活躍してほしいのですが、こればかりはどうしようもありませんね。

 

 このように見てくると、三宅由佳莉さんが着任以来の歴代の隊長の組み合わせというものは絶妙だと思います。

 熊崎隊長から引き継いだアーティストの河邉さんが、その楽曲によって東京音楽隊三宅由佳莉さんに火をつけ、手塚さんは燃え盛るその炎を、コントロール可能で持続性のあるものに落ち着け、その基盤の上に樋口さんがエンターテインメントの花を咲かせている。

 もちろん、計画的にそのような人材登用ができるほど人的余裕があるわけではないので、偶然そうなっているのですが、東京音楽隊の活動や人材を見ていると、偶然が偶然に思えないことが多いですよね。

 

 以上、全くの個人的な独断に基づく私見でした。

 何はともあれ、東京音楽隊三宅由佳莉さんの、今後ますますの活躍が楽しみです。