あれこれdiary

海自OBによる偏見御免徒然あれこれdiary

観艦式について(2)

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 今年の1月に、「観艦式について」という記事を書きました。

 その中で、順番でいけば、今年は観艦式の年だけど、まだ来年度の予定は確定していないし、昨年の航空観閲式が荒天のため中止になったため、年度繰り下げ実施の可能性もないわけではない、と書きました。

retcapt1501.hatenablog.com

 でも、ここにきて、本当に今年は観艦式がないかもしれないと思い始めています。

 それは、このほど公表された、自衛隊高級幹部の春の人事を見て、「おや?」と思ったからです。

 観艦式というのは、非常に大規模な艦隊を運用するため、相当の準備が必要です。

 実際に大艦隊を運用する、観艦式執行部隊の指揮官には自衛艦隊司令官が充てられ、自衛艦隊司令部の主要な幕僚が二つの帽子を被って(つまり、自衛艦隊司令部幕僚と、観艦式執行部隊司令部幕僚)、観艦式を執行します。

 下の写真は横須賀の船越にある自衛艦隊司令部です。

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 他方、洋上で活躍する艦隊を岸壁で支援するのは、観艦式支援部隊で、その指揮官には横須賀地方総監が充てられます。そして横須賀地方総監部の主要な幕僚がやはり二つの帽子を被って任務に当たります。

 下の写真は、JR横須賀駅の近くにある横須賀地方総監部です。

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 ですから、自衛艦隊司令部と横須賀地方総監部の主要な幹部の交代は、観艦式の年には行わないのが通例です。

 ところが、この春の将官人事をみると、自衛艦隊司令部幕僚長、横須賀地方総監、横須賀地方総監部幕僚長が、軒並み交代となっています。

 更に言えば、自衛艦隊司令部の作戦主任幕僚、作戦総括幕僚、運用総括幕僚という作戦部のトップ3が昨年の12月に交代しています。自衛艦隊のような大部隊の司令部では、通常の作戦運用だけでも複雑極まりないため、どんなベテランでも1年目に観艦式のような巨大イベントを並行してこなして行くのは容易ではありません。ですから、これらの主要幹部の異動状況を見る限り、観艦式に向けた布陣を敷いているとはとても思えないのです。

 もちろん、確証はありませんが、この防衛省発令を見る限り、今年の観艦式はないかもしれないなと感じたわけです。

 観艦式が今年行われないとした場合、その理由としては、先ほども触れたように、昨年実施できなかった航空観閲式の年度繰り下げ実施というのは十分考えられることだと思います。何しろ、自衛隊記念日行事である観艦式、中央観閲式、航空観閲式が、中止になったのは初めてのことだからです。

 もう一つの可能性としては、陸自主体の中央観閲式の年度繰上げ実施です。

 本来であれば、来年、つまり2019年が中央観閲式の開催年です。ところが、翌2020年に予定されているのが東京オリンピックです。

f:id:RetCapt1501:20180323234744j:plain(このキャラは3組の候補のうちの1組です。決定は今年の夏頃らしいです。)

 陸海空自衛隊は、相当の規模でオリンピック支援を行うことになると思いますが、何と言っても主要な兵力は陸上自衛隊です。オリンピック支援のためには、それこそ相当な準備が必要でしょう。そう考えると、2019年の10月頃に、中央観閲式のような大規模な行事を行う余力はないかもしれないと思えるのです。

 なんとなく、もっともらしく書きましたが、何の確証もありません。

 

 ただ、三宅由佳莉さんのファンの立場から言わせていただけば、陸海空のいずれになるにしても、それぞれ楽しみがあります。

 

 観艦式であれば、艦上での演奏会だけでなく、観艦式付帯行事として横浜などで行われる演奏会で、三宅さんの歌を聴く機会があるでしょう。

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 航空観閲式であれば、開催冒頭の国歌独唱の機会がまたあるかも知れません。もっとも、今は空自にも森田早貴さんというソプラノ歌手がいらっしゃいますので、なんとも言えませんが・・・

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 中央観閲式であれば、前回のように、またスーザフォンを担いで行進する三宅さんが見れるのか楽しみですよね。もっと趣向を凝らしてくるかも知れませんし。

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 と言うわけで、今年の自衛隊記念日行事は、どうなるのか楽しみです。