あれこれdiary

海自OBによる偏見御免徒然あれこれdiary

三宅由佳莉さんの「キセキの歌声」

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(演奏前のビデオメッセージに、思わずこぼれた涙を頬に湛えたままで熱唱)

 

 

 海上自衛隊東京音楽隊の歌手である、三宅由佳莉さんは、透き通るような歌声と、ジャンルを選ばないレパートリーの広さで、年齢、性別を問わず、幅広い層からの支持を集めています。

    もちろん、大学で声楽を本格的に学ばれた方ですから、ごく一部の、偏狭な方々からの的外れな中傷があるとはいえ、しっかりした歌唱技術を身につけておられます。

    もっとも、三宅さんの人気の秘密は、ピッチがどうの、声量がどうのという、歌唱技術の話とは、おそらく何の関係もないでしょう。

 彼女が幅広い支持を集めているのは、そのまっすぐな心と、いっしょうけんめい生きようとする姿勢、そして聴く人の心を優しく包み込んでしまう、あの歌声が、多くの人の心を掴んで離さないからだと思うのです。

 彼女の歌を収めた、夥しい数の動画がYoutubeなどにアップされていますが、いつもいつも良いコンディションで歌えているわけではなく、さきほどの偏狭な方々が指摘されるように、音程が外れたり、声が出なかったり、歌詞を忘れたりと、散々な場面もあるんです。でも、そんな時でも、聴衆は大喝采を送りますし、バックで演奏している音楽隊のバンドの面々も、満足そうな表情をしていることが多いです。

 つまり、三宅さんを支持する方々は、完璧な歌を求めているわけではなく、彼女の歌声を通じて、そのまっすぐな心や、いっしょうけんめい生きようとする姿勢を感じ取ろうとしているのだと、私は解釈しています。

 記事タイトルにある「キセキの歌声」

 これは、私が勝手に言っているのではありません。

  平成26年8月31日(日)、日本テレビ24時間テレビ 愛は地球を救う」に、東京音楽隊が出演、三宅由佳莉さんが歌声を披露しました。

 その際、日テレが三宅由佳莉さんの歌声を「キセキの歌声」と称していたのです。

 GReeeeNの「キセキ」にイメージをダブらせて、被災地にたくさんの応援歌を届けてきた東京音楽隊の活動と三宅由佳莉さんの歌声をそのように表現したのかもしれません。

 私は、この番組自体を観ていませんが、navy171さんが寄せてくださったコメントによると、次のような感じだったとのことです。

 この曲の演奏前に水トアナが手塚隊長と三宅さんを紹介し、三宅さんについては生い立ち、海上自衛隊入隊の経緯なども画面で紹介されました。

 それに引き続き、震災直後、東北の被災地の避難所で東京音楽隊の7人が演奏をしている映像が流され、そこで三宅さんは「見上げてごらん夜の星を」を歌っていました。そして、避難所での演奏を当時実際に聴いた主婦2人がTV局のインタビューに応えた後、当時11歳だった少年がインタビューに「こんなに心に残る歌声で『見上げてごらん夜の星を』を聞いたのは初めてだ。僕も将来自衛隊の音楽隊に入って被災者を慰めたい」と語ったのです。この時、モニターを見ていた三宅さんの目から涙が流れ始めました。そのような状況で「この度の広島土砂災害に遭われた方、すべての困難に直面している方々に捧げる」とのナレーションで演奏が始まったのです。

 だから、歌い始めた三宅さんの瞳には涙が一杯なのですね。

 navy171さんによると、三宅さんは後日ブログで「あのようなビデオが流されることは知らなかったのです。」と書かれていたそうです。

 dailymotionにアップされている動画がこれです。

www.dailymotion.com

 歌われているのは「見上げてごらん夜の星を

 私と同じ年代の方々には、坂本九さんのヒット曲としてお馴染みですね。

 坂本九さんは、昭和60年8月12日に起きた日航ジャンボ機の墜落事故で、43歳の若さで亡くなりましたが、未だに強烈な印象を残します。

 思い返せば、九さんも、まっすぐな心と、いっしょうけんめい生きる姿勢、そして聴く人の心を鷲掴みにするような独特の魅力的な歌声を持っていました。

 dailymotionの動画をご覧ください。

www.dailymotion.com

 坂本九さんと三宅由佳莉さんの「見上げてごらん夜の星を」は、歌い方も印象もだいぶ異なります。

 でもお二人に共通するのは、小手先の技術ではなく、心で、気持ちで、魂でメッセージを伝えようとするところではないでしょうか。

 「キセキ」の歌声が、時を経て受け継がれたのだと思います。

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