あれこれdiary

海自OBによる偏見御免徒然あれこれdiary

三宅由佳莉さんの転勤

 

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 三宅由佳莉さんは、東京音楽隊勤務が9年目に入りました。どうなんでしょう、同じ部隊に9年って長いと思いますか?

 今回は、三宅さんの転勤問題について考えてみたいと思います。お前が考えてもしょうがない? おっしゃるとおりですが、そう言わずにお付き合いください。転勤先によっては、三宅さんの歌声が聴けなくなってしまうかもしれないのですから。

 ところで、三宅由佳莉さんの人事権は誰が握っていると思いますか? それは横須賀地方総監という方です。海上自衛隊には「人事発令(人発)」を行える人が6人います。幹部自衛官の人発は海上幕僚長、海曹士の人発は、横須賀・呉・佐世保舞鶴・大湊の各地方総監です。

 幹部自衛官は、全国区ですので、日本中どこにでも赴任しますが、海曹士は、原則として、いずれかの地方総監が管轄する警備区内に限られます。

 東京音楽隊は、横須賀警備区内にあるため、海曹士隊員の人発は横須賀地方総監が出すわけです。横須賀警備区と聞くと、横須賀近辺のことを指しているように感じると思いますが、なんと北は岩手県から西は三重県までの16都県に及びます。

 同じように、呉・佐世保舞鶴・大湊の各地方総監も、それぞれ管轄する警備区が定められています。

 横須賀警備区には東京音楽隊と横須賀音楽隊の二つがありますが、その他の警備区にはそれぞれ一つの音楽隊しかありません。つまり、定期的な人事異動での補職先を警備区内に限定してしまうと、音楽のような小職域の隊員は行き場がなくなってしまいます。そこで、相互交代のような形で、警備区を跨いだ人事交流が行われます。

 そして、定期異動のサイクルは、幹部の場合2〜3年、海曹士の場合5年くらいが相場でしょうか。特殊な事情がある場合を除き、長期勤務者が出ないような補職調整が行われています。

 ここまでくると、おや?と思われるでしょう。三宅由佳莉さんは、東京音楽隊での勤務が9年目に入りました。すでに長期勤務者リストに入っていることでしょう。

 では、三宅さんが大湊音楽隊や舞鶴音楽隊に転勤する可能性があるのでしょうか。地方の警備区内だけで演奏活動をすることになるのでしょうか。

 結論を言えば、それはないと思います。なぜなら、相互交代できるボーカルがいないからです。海上自衛隊でボーカルがいるのは東京音楽隊と横須賀音楽隊のみですから、歌手として異動するならば、補職先は横須賀音楽隊しかないはずです。つまり、中川麻梨子さんとの相互交代ということです。

 したがって、中川さんが横須賀で十分経験を積んだところで交代するというオプションは、制度的にはもっともリーズナブルです。

 ただ、全国はおろか、海外にまでに多くの熱烈なファンを持つに至った三宅さんをセントラルバンドである東京音楽隊からはずせるのかという、制度とは別の問題があります。総監部の補職担当者は、頭を悩ませているかも知れませんね。

    音楽隊以外のオプションとしては、音楽隊の元締めである、海上幕僚監部の広報室勤務はどうでしょうか。それはそれで広報効果は上がるでしょうし、東京音楽隊の大きなコンサートには、「業務支援」という形で出演することもできます。ただ、地方公演や、ランチタイムコンサートなどには、しばらく出演できなくなるでしょうけど。

    三宅さんが、幹部自衛官を目指すというオプションも考えられます。音楽隊では、一定数の隊員を幹部に登用して、将来の隊長要員として育成しています。将来、知名度のある三宅由佳莉さんが、東京音楽隊長に就任するというのも話題性がありますよね。

    でも、幹部になるためには、広島県江田島にある幹部候補生学校で一年間の教育訓練を受けなければなりません。それだけではなく、幹部になれば、演奏の現場からは外れることになりますので、誰にとってもハッピーなオプションとは言い難いですよね。三宅さんご自身も、歌い続けることを望んでおられることと思います。ただ、幹部になっても歌い続けるという新たなオプションもあるかもしれませんので、一つの可能性として押さえておきたいと思います。

 とかなんとか、勝手な妄想で綴ってはみたものの、ほんとのところはどうなのか、さっぱり見当もつきません。三宅由佳莉さんは、海上自衛隊のこれまでの常識の枠には収まりきれない存在だと思います。

 いずれにせよ、いつかは浮上するであろうこの問題、個人的に注目しています。 

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