あれこれdiary

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三宅由佳莉さんの独唱……自衛隊音楽まつり(2)

 前回は、平成22年の音楽まつりでの、「朧月夜〜祈り」を紹介させていただきましたが、今回は、私が心を打たれたもう一つの独唱を紹介したいと思います。

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 音楽まつりでは、終盤に全出演者総出での合同演奏が行われます。そして、演奏終了後に全部隊が退場したあと、ラストを感動的に締めくくる小さな演奏が始まり、合同演奏の指揮者が花道をゆっくり退場するという演出が定番です。

 今回ご紹介するのは、平成24年に行われた音楽まつりで、そのラストを飾る三宅由佳莉さんのヴォカリーズです。

 NHK大河ドラマ龍馬伝」の挿入歌としてYUCCAさんが歌った「想望」は、人間の内なる世界の壮大な広がりと、それとは裏腹な儚さや追い求めても手がとどかないもどかしさ、悲しさのようなものが、龍馬の生き様とも重なって想起され、心を揺さぶる名曲だと思います。

 三宅由佳莉さんは、この曲も、オリジナルとは一味違う、自分なりの解釈と表現で、見事に歌い上げています。

 埋め込み再生ができない動画ですので、下の写真をクリックしてみてください、動画にリンクしています。f:id:RetCapt1501:20171027010941j:plain

 私は、この曲を聴くと、龍馬とも所縁のある高千穂の山々の神々しい黎明の風景が目に浮かびます。

 三宅由佳莉さんが、「想望」を歌い終えたあと、静かに指揮台を降りて中央へ進み、身を翻して正面に敬礼、退場していく方は、海上自衛隊東京音楽隊の当時の隊長である河邉一彦2等海佐です。

 三宅由佳莉さんのデビュー曲である「祈り a prayer」を作詞・作曲された河邉さんは、宮崎県のご出身で、その代表作の一つである、交響曲「高千穂」は、早くに事故でお母上を亡くされた、ご自身の幼少期の記憶を辿りながら編まれたものだそうです。

 そんなことを考え合わせ、改めて三宅さんのヴォカリーズを聴くと、また違った感慨が胸に迫ります。

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  前回ご紹介した「朧月夜〜祈り」と、今回の「想望」は、三宅由佳莉さんが音楽まつりで歌われた独唱のなかでも、私にとって格別の思い入れのある二曲です。

 是非多くの方に聴いていただきたくご紹介いたしました。

 気に入っていただければ幸いです。