あれこれdiary

海自OBによる偏見御免徒然あれこれdiary

三宅由佳莉さんのお辞儀と敬礼

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  海上自衛隊東京音楽隊の歌手である三宅由佳莉さんは、一曲歌い終えるたびに、この写真のように深々とお辞儀をされます。折り目正しく、謙虚な姿勢が好評ですが、背筋を伸ばしたままでの90度のお辞儀って、なかなかできませんよね。しっかり気持ちが入っている証拠だと思います。

 ところで、私がこれまで見た限り、三宅さんが海上自衛隊の隊歌や、軍歌を歌った場合には、このようなお辞儀ではなく、10度の敬礼をされているようです。

 敬礼にはいろいろな種類がありますが、個人が行う敬礼(各個の敬礼といいます)のうち、最もイメージしやすいのが、下の写真のような挙手の敬礼ですよね。

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 陸上自衛隊航空自衛隊では、挙手の敬礼は肘を真横に張って行いますが、海上自衛隊では、肘は右斜め45度となっています。狭い艦内での行動を基準としているからです。挙手の敬礼は、着帽時(帽子をかぶっている時)にのみ行うものであって、脱帽時には、10度の敬礼(下の写真)を行います。垂直の線から10度前方に上体を倒す敬礼です。お辞儀ではなく敬礼なので、しずしずと頭を下げてはいけません。瞬時に行います。この写真は、海上自衛隊儀礼曲「海のさきもり」を歌い終えた際の敬礼です。

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 このように、お辞儀と敬礼を使い分けておられるようなのですが、私が「おや?」と思ったのは、昨年(2016年)4月に奈良の橿原神宮で行われたトワイライトコンサートの最後の曲目として演奏された「我は海の子」です。この曲は、教科書にも載っている(載っていた?)唱歌ですが、川上良司さんと三宅由佳莉さんによる、情感溢れる嫋やかなデュエットが3番まで続いたところで、サイドパイプが響くなか、曲調が勇壮な行進曲へと変化、今では教科書に掲載されないだけでなく、我が国民の記憶から消されてしまった7番の歌詞「いで大船を乗り出して、我は拾はん海の富。いで軍艦に乗り組みて、我は護らん海の国」が力強く歌われ、感動的なフィナーレに至るという素晴らしいアレンジです。この時、拍手喝采のなか、お二人はまず10度の敬礼をし、さらに鳴り止まない拍手に応えて、深々とお辞儀をされていました。

 つまり、このアレンジについては、半ば隊歌あるいは軍歌として認識されているということだと思います。マーチに移行する際、お二人が一旦直立不動の姿勢をとっていることも、そのような意識の表れではないかと思います。h1way2012さんがアップしてくださっている、この動画、最後の敬礼とお辞儀にも注目しながら、是非ご覧になってください。

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