あれこれdiary

海自OBによる偏見御免徒然あれこれdiary

練習艦隊、ペルー寄港の総括

 ずいぶん時間がかかりましたが、ペルーの総括記事がようやく仕上がりました。かなり早い段階で手がけ始めたのに、何故かこの記事は筆が進みませんでした。どうしても記事にまとまりが出ないのです。理由らしい理由もないので不思議なことですが、ごくたまにそういうことがあります。

 さて、本題です。

  我が練習艦隊は、2019年7月5日(金)から9日(火)まで、南米ペルーのカヤオ港に寄港し、両国間の親善に資する様々な活動を行いました。

 入港に先立ち、「カヤオ」という記事で、行事予定のほか、かつて私が実習幹部として同港を訪問した際の思い出などを綴った記事の紹介もさせていただきました。

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 入港当日、岸壁係留を終えた練習艦「かしま」後部の飛行甲板上では、ペルー海軍水上艦隊司令官(海軍少将)を艦上にお迎えして、栄誉礼が行われました。ペルー海軍士官の制服は、階級章も含め、海上自衛隊とほぼほぼ共通です。つまり米海軍の服制を基礎としているということです。

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 ちょっと脱線します。上の写真でペルー海軍の司令官は左手の指を伸ばしたまま体側に添わせていますが、我が練習艦隊司令官・梶本海将補は左手を握っていますよね。気を付けの姿勢を取った時に手指を伸ばすのか握るのかは、国によってマチマチです。自衛隊は、陸海空とも「ぐー」です。ですから行進する時も両手は握ったままです。 

 この栄誉礼の動画もありますのでご覧ください。

www.youtube.com

 栄誉礼でお迎えしたペルー海軍水上艦隊司令官をご案内して、「かしま」の艦内を見ていただいている時の写真と思われます。艦橋の右ウイングでしょうか。

 そして、岸壁では、入港歓迎式典が執り行われました。実習幹部総員が整列し、歓迎式典に詰め掛けたペルーの皆さんと向き合います。

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 ペルー海軍軍楽隊による君が代吹奏では、整列した実習幹部が大きな声で斉唱しましたし、ペルー国歌の吹奏では、詰め掛けたペルーの皆様がやはり大きな声で斉唱されていました。そんな様子を見ていると、誠に清々しい気分になります。互いに自分の国を誇りに思う者同士であって、始めて相手の国とその国民に敬意を払うことができるのだと思います。そんな歓迎式典の様子を収めた動画がfacebookにアップされています。

www.facebook.com

 入港時の様子などについては、「練習艦隊のカヤオ入港」という記事で紹介させていただきました。

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 練習艦隊司令官・梶本海将補は、ペルー海軍太平洋作戦司令官・ジェームズ・ソーンベリー・スキアンタレッリ中将を表敬訪問され、また、カヤオ出港後に予定されているメキシコ海軍とのPASSEX(Passing Excersise)に関する事前研究会では、日本艦隊の両艦長、メキシコ海軍の「プエルト・デル・カヤオ」「フランシスコ・キロスマトゥク」両艦長他、各艦関係者による事前の綿密な調整が行われました。因みにPASSEXとは、両国海軍間の相互運用性を確認し、いざという時に円滑な連携を図れるよう、様々な機会を利用して行われる短期間の演習です。今回のように、相手国を訪問した時などは絶好の機会ですし、互いに長距離機動中の両国海軍艦艇同士が、洋上で近傍を通過するような機会が活用されることもあります。

 また、実習幹部によるペルー海軍士官学校訪問時には、同校に建立されているペルーの英雄、ミゲル・グラウ提督の銅像に対する梶本司令官からの献花が行われました。

 この様子はペルー国内でも報道されたらしく、「日本の艦隊司令官が我々の英雄に献花してくれた」と、多くのペルー国民から喜ばれたようです。ペルーの報道機関は、このような機会に何を報道すべきかをよく弁えているなと思いました。

 さて、練習艦隊はどの訪問先でも熱烈な歓迎を受けています。歓迎式典などに集われる方々はもちろん、元々練習艦隊に、そして日本に対する愛着の強い方々でしょうから、それらのイベントが熱烈な歓迎ムードになるのは当然のことです。

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 では、それ以外のペルー人はどのような感想をお持ちだったのでしょう。

 一般のペルーの方々の声を集めたサイトがありますので紹介させていただきます。

kaigainohannoublog.blog55.fc2.com

 親日国と言われるペルーではありますが、このような一般大衆の反応を見る限り、練習艦隊の寄港が、2国間関係の更なる推進に少なからぬ貢献をしていることがよく判りますね。特に、日本の艦隊がペルーに寄港したことを「誇り」に思ってくださる声には、正直とても嬉しい気持ちにさせられます。

 それから、練習艦隊のペルー訪問を報じた「ペルー新報」の記事をご紹介します。日系人コミュニティ向けの新聞と思われますが、全部スペイン語なのでちょっと辛いところです。記事の内容は、専ら音楽隊による演奏会に関するものです。

f:id:RetCapt1501:20190810130451j:plain 本物の記事をお読みになりたい方は、下のリンクからどうぞ。

www.perushimpo.com

  記事によれば、この演奏会は行進曲「軍艦」で幕を開け、滝廉太郎の「荒城の月」、「君の瞳に恋してる」、「海の見える街〜ボサノバ・バージョン」などが演奏され、三宅由佳莉さんの「さくらさくら」「Time to Say Goodbye」が披露されたそうです。他の寄港地と同じように、2部構成であったと思われますが、詳細は不明です。ただ、演奏会のステージの様子を伝える写真が何枚か提供されていましたので掲載します。

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  また、地元の日系人コミュニティー向けの局と思われる「絆TV」が、この演奏会を取材した報道ビデオを投稿してくれましたので、その中から三宅由佳莉さんが「さくらさくら」を歌われるシーンを抽出してみました。曲の途中しか写っていませんでしたので30秒あまりと、とても短いのですが、ペルー演奏会の動画としては、現在のところ唯一のものですので貴重です。ぜひご覧下さい。なお「絆TV」による元動画は、その下のリンクから訪ねてみてください。元気な日系のお嬢さんによるリポートです。もちろんスペイン語ですけど(≧∀≦)

www.youtube.com

ne-np.facebook.com

 この写真は、何を歌っておられるところなのでしょう。表情から見て、おそらく「さくらさくら」ではないかと…

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 そして終演後の写真です。やや小さめの劇場のようですが、客席は総立ちでのスタンディングオベーションです。練習艦隊音楽隊の演奏が、ペルーの皆さんの心に響いたということですね。素晴らしい成果だと思います。

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  さて、ようやくこの記事が仕上がりましたが、本日夜にも練習艦隊は長い航海のすえ仏領ポリネシアタヒチ島のぱペーテに入港する予定です。あっという間でしたね。関連記事は現在作成中ですので、追って投稿します。

東京消防庁音楽隊創立70周年記念特別演奏会

 暑いですねー(≧∀≦) 水分補給、しっかりやってますか?

 ここ数日、軽い熱中症(かな?)で、記事を書く気力に欠けていたものですから、「ちょっと夏休み!」とさせていただきました(╹◡╹) 鎌倉での横音演奏会のあと、ぼんぼり祭りをじっくり見て回ったのですが、水分補給をすっかり忘れていたものですから、気付いた時には体が完全に干上がっていました。帰宅して風呂に入る前に体重計に乗ったらなんと2Kgも減ってました。そんなに水分が抜けるの? 驚きです。

 さて、本題です。

 先日「東京消防庁音楽隊の創立70周年記念コンサート」という記事を書きました。

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 それに引き続きの「70周年記念特別演奏会」を聴く機会を得ることができたのは大変幸運なことでした。

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 会場となった東京芸術劇場のコンサートホールを訪れるのは今回が初めてでしたが、ご覧のようにステージ奥には大変美しく印象的なフォルムを持つパイプオルガンが設えられていて、ライティングによって自在にその色を変化させます。色彩による視覚的な要素を加えることで、音楽表現の幅が広がるというわけです。

 すごいのは、その個性的なフォルムが、決して過度の自己主張をして音楽への集中力を奪うことはしないのに、しっかりとした存在感だけは保っていることです。デザインというものの奥深さを感じます。

 

 さて、先日のコンサートと今回の演奏会、実は全く同じプログラム構成で、前回の「コンサート」がプレ公演、今回の「特別演奏会」が本番という位置付けだったようです。ちなみに配布されたパンフレットも同じです(≧∀≦)

 でも、本番だけあって、今回は冒頭にサプライズプログラムが用意されていました。小池百合子東京都知事が登場して挨拶をされたのです。それだけ、重要な節目を祝う特別演奏会だということでしょう。

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 挨拶の後、小池都知事から東京消防庁音楽隊に対し「感謝状」の贈呈が行われ、更には、来年に迫る東京オリンピックで、自衛隊の音楽隊などとともに演奏支援に当たる同音楽隊に対し、ファンファーレトランペットが贈呈されました。

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 そして、なんと小池都知事の指揮で、同音楽隊による、前回の東京オリンピックファンファーレの演奏が行われました。

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 なかなか、趣向を凝らした贈呈式でした。小池都知事が大きな拍手に送られながら左袖へと退場され、演奏会の始まりです。

 同じプログラムではありますが、前回はスマホでの動画撮影をしながらの鑑賞でしたから、生演奏に集中することがなかなかできませんでした。今回は、前回のプログラムを思い出しつつ、音楽隊の演奏やカラーガーズ隊の演技に、思う存分意識を集中させることができました。

 「ネタバレ」という言葉がありますが、実は映画でも、初めて観る時よりも、2回目、3回目に観る方が、より深い感動を味わうことができるのだと聞いたことがあります。初めて観る時には、ストーリーを理解することに意識が向いてしまうからなんだと思います。

 その意味では、海自の音楽隊が得意とする「サプライズ」企画は別として、演奏会のプログラム構成などは予め把握しておいた方がより楽しめるということも言えるでしょうし、事前にプログラム曲を聴いて予習しておいたほうが、実際の演奏を深く味わうことができるのではないかと思います。

 プログラムを見てみましょう。

第1部

①祝典のための序曲(C.T.スミス)

②美中の美(J.P.スーザ)

組曲ペール・ギュント」より 朝(E.グリーグ

組曲「惑星」より 木星(G.ホルスト

リベルタンゴ(A.ピアソラ

⑥孤独の戦士(式町水晶)

情熱大陸葉加瀬太郎

 第一部の前半は、誰の耳にもよく馴染んだ美しいメロディーのオンパレードです。東京消防庁音楽隊の質の高い演奏が、私たちを心ゆくまで楽しませてくれました。私は門外漢ですから、悲しいかな演奏技術などを語る言葉を持ちません。いつも自分の個人的な感性でしか語ることができないのですが、先回と今回の演奏会を通じて感じたのは、丁寧な音作りでした。特に、インパクトのあるパート以外の部分を優しく包み込むように美しく仕上げているからこそ、ハイインパクトのパートが活きているように感じられました。

 そして後半、赤色の部分は、ゲストプレイヤーであるヴァイオリニスト・式町水晶(しきまち・みずき)さんを迎えてのジョイントコンサートとなりました。

 1996年北海道生まれの式町さんは、3歳の時に脳性麻痺と診断され、リハビリのために4歳からヴァイオリンを始められたのだそうです。そのような目的でヴァイオリンを始めた彼が、キングレコードのレーベルを背負うプロヴァイオリニストとして活躍されていることに驚かされます。ステージ上の式町さんは、そのような説明を聞かなければ、生まれながらの健常者として順風満帆の人生を歩んでこられたようにしか見えません。プロになることを決意し、着実に実力を伸ばしてその夢を実現するために、どれほどの努力が払われたのでしょう。

 ⑥孤独の戦士 は、式町さんが12歳の時に作曲されたものです。

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 脳性麻痺に冒されていたことから、身体動作が健常児とは異なっていたのでしょう。学校での虐めに遭い、また、医師からは遠からず失明する可能性があることを宣告され、孤独と出口の見えない闇を感じられていたと、さらっと仰っておられましたが、そのような環境に置かれた12歳の少年が、平静な心を保てるとは到底思えません。自らの心象風景を曲に仮託することで、内に抱える葛藤を昇華されたのがこの曲なのではないでしょうか。

 当時、刑務所での慰問演奏でこの曲を演奏されたこともご自分で紹介されていましたが、自らの犯した罪を償い、再び社会に受け入れてもらいたいと切望しながらも、そこに横わるであろうことが予期される厚い壁に怯み、慄く受刑者の心には、同じように深く絶望的な孤独を背負いつつ、そこから自分の足で歩むことを静かに決意した少年の雄々しい感性が救いとして響いたに違いないと思います。

 プログラムには上記の3曲しか記されていませんが、第一部の最終曲である「情熱大陸」終演後、の熱烈な喝采に応えて演奏された曲がもう一つあります。

 式町さんの演奏は、基本的にエレクトリックヴァイオリンなのですが、アンコール曲はアコースティックヴァイオリンで演奏されました。このヴァイオリンがもう一つの主役と言っても良いでしょう。その名を「津波ヴァイオリン」と言います。

 そうなんです、東日本大震災で東北地方の太平洋岸を襲った大津波。そこに瓦礫となって流れ着いた多くの木材。それらの中から、ヴァイオリンの筐体として使えるものを選び抜き、製作されたのが「津波ヴァイオリン」なのです。

youtu.be

 式町さんは、津波ヴァイオリンプロジェクトで製作された千本のヴァイオリンの一つを授かりました。ヴァイオリンには、上下の響板の間を支える「魂柱(こんちゅう)」というパーツがあります。

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 津波ヴァイオリンの魂柱には、陸前高田の「奇跡の一本松」が使用されているのだそうです。魂の柱。洋楽器のパーツにそのような名称が冠されていることにも驚きますが、あの大災害で尊い命を落とされた皆様の思いを一身に背負って立ち続けたのだと、私たちに思わせたあの「一本松」が、魂の柱に姿を変え、千本の津波ヴァイオリンの音色を支え続けるのです。

 式町さんが、津波ヴァイオリンで演奏して下さったのは、震災応援歌の一つとして広く愛されている「花は咲く」でした。このような演奏を2度までも生演奏で聴くことができたことに、ただただ感謝するばかりです。式町さん、素敵な演奏とエピソードをありがとうございました。

 

第二部

①ファイアーマンスピリットマーチ(服部克久

塔の上のラプンツェル・メドレー(星出尚志・編曲)

③オリンピック・ファンファーレとテーマ(J.ウィリアムズ)

④風が吹いている(水野良樹

⑤スーパーマンのテーマ(J.ウィリアムズ)

 第二部は、東京2020を意識し、オリンピックを軸に組み立てられたプログラム構成になっています。ファイアーマンスピリットマーチは、そのタイトルからもわかるように、火災現場に立ち向かう消防官を讃える勇壮な行進曲です。海自の音楽隊で言えば行進曲「軍艦」のような位置付けでしょうか。華やかなカラーガーズ隊の演技とともに演奏されるこの曲が終わったところで、MCの女性消防官の方からカラーガーズ隊の沿革や活動状況などについて説明がありました。その間、プログラムにはありませんが、音楽隊が静かに奏でるBGMは、「ゆず」の「栄光の架橋」です。そして、MCのナレーションが終わり「それでは、次の演技まで、音楽隊の演奏でお楽しみください」と締めくくったタイミングで、それまでグッと抑えていた音量を上げて曲のサビに入ります。曲もナレーションも最大限に生かす素敵な演出でした。

 東京消防庁音楽隊のステージを拝見して強く印象に残っているのは、やはりカラーガーズ隊とのコラボです。必ず一緒に演奏・演技が行われるわけではないらしいのですが、両者相まってのステージ作りが一つのイメージとして出来上がっているのだと思います。カラーガーズ隊は、旗の演技だけでなく、所々に徒手でのダンスを入れたりして、その演技は多彩です。

 自衛隊の音楽隊の演奏会をずっと見てきたからかも知れませんが、カラーガーズ隊の中から歌を歌う隊員が現れたら、ステージに新たな華が添えられるのではないかと思いました。

 さて、第二部のアンコール曲は、大河ドラマ「韋駄天」のメインテーマ、これもオリンピック・パラリンピックに因んでの選曲でした。

 そして、本当のフィナーレは、前回の東京オリンピックマーチが高らかに演奏される中、カラーガーズ隊のみなさんが1階客席の間の通路を二手に別れて登場し、客席に向き直って手拍子を求め、さらにステージ上に上がって演技を披露し、最後は手を振りながら左右にはけていくというものでした。

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これは先日の文京シビックホールでの様子です

 とても素晴らしい演奏会でした。

 ところで、もうお気付きの方もおられるかも知れませんが、私が2度にわたり記念演奏会を聴くことができたのは、このブログを読んで下さっている「潜水士」さんのおかげなんです。東京消防庁の現役幹部消防官である「潜水士」さんは、広報活動にも一部関与されている関係で、ご自身の裁量に託された招待枠を、私のために行使して下さったのです。感謝の言葉もありません。おかげさまで、初めて自衛隊以外の音楽隊の演奏会を生で聴き、こうして記事にする機会に恵まれました。

 終演後、「潜水士」さんとは、池袋駅の近くにある居酒屋(名前忘れた(≧∀≦))で、焼き鳥をつまみに2時間ほど酌み交わしました。ほとんど初対面に近い間柄ですが、旧知の友のように忌憚のない話で盛り上がり、楽しいひと時を過ごすことができました。

 本当に多くの方々に、様々な形で支えられているのだということを改めて実感しましたし、あれこれ思い悩み、試行錯誤を繰り返しながらも、このブログを続けてきてよかったと思った次第です。

東京芸術劇場に行ってきます

   電車の中でスマホで書いているので、見た目地味な記事になります(≧∀≦)

    先日、東京消防庁音楽隊の創立70周年記念コンサートの報告記事を書きましたが、今日は、「創立70周年特別演奏会」、池袋にある東京芸術劇場コンサートホールで開催されます。

    横浜からは、相互乗り入れしている東横線東京メトロ副都心線を使っても一本で行けますが、今日はJR湘南新宿ラインを使ってみることにしました。

    普段使っていない路線の方が気分が上がりますよね。ちょっとまごつきながら乗るのが楽しいです。

    東京芸術劇場も初めてなので、どんなホールなのかよく見てきたいと思います。

    因みに、明日は休暇が取れたので、鎌倉の鶴岡八幡宮まで足を延ばす予定です。「ぼんぼり祭り」で、横須賀音楽の演奏会もあるんです。二日連続で生演奏を聴く機会など、私にはなかなかないことですので、今日、明日と楽しませていただこうと思っています。

三宅由佳莉さんの夢

 さて、今回は三宅由佳莉さんの夢について書いて見たいと思います。

 三宅由佳莉さんは、遠洋練習航海に参加するという長年の夢をついに実現しましたね、次の夢は東京オリンピックの開会式での国歌独唱か…とか、そういう話ではないんです。

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 驚いたことに、この私が、三宅由佳莉さんの夢を見たのです。もちろん睡眠中に見るあの夢のことです。

 何故「驚いたことに」なのかと言いますと、私は異常に寝つきが良く、ほぼ横になった瞬間に深い眠りに落ちますし、3〜4時間ほどで目が覚めますので、夢というものを見る習慣がないんです(習慣で見るものではありませんが(≧∀≦))。

 それが、昨夜はどうした塩梅か、長ーい夢を見ました。しかも途中で2回ほど目が覚めたのですが、夢はずっと続いていました。

 年に1〜2回とはいえ、もちろん、これまでに夢を見たことは何度もありますが、どんなに印象的な夢でも、大抵目が覚めた瞬間にほとんど記憶から消えてしまい、楽しかった、怖かった、悲しかったという感情の余韻と、特に印象に残る場面だけがカラフルな残像として残っているだけです。そして、夢を見ている時には全ての辻褄があっていたはずなのに、目が覚めた途端、何のことやら全く意味不明で、かすかに残っている記憶を辿っても、他人に説明するのはほぼ不可能… 皆さんもそうではありませんか? 私だけかな…

 ですから、昨夜見た長い夢も、言葉に落として細かく説明することはできないのですけれど、私の中に残った感情の余韻は、全般には楽しいのですが、微かな心の痛みを伴うものでした。

 何故か私と三宅さんは同じ職場の同僚で、私の今の職場の上司がボスでした。そういう設定になっていたことは記憶にあるのですが、細かいことはわかりません。

 重要なのは、そこで接する三宅さんは、私たちが良く知る彼女とはかなり違う人だったということです。あ、悪い意味ではありません。いつもちょっと弾けているというか、コロコロ良く笑いますし、他人の話に絶妙なツッコミを入れてみんなを大笑いさせたり、そんな人でした。夢の中の私は、彼女がそういうキャラであることを当然のように受け止めていたと思います。歌手であったかどうかは覚えていませんが、仕事以外に何か活動をしていたようです。あるシーンが鮮やかな色彩とともに印象に残っています。おそらく会社の入り口で、ノックかチャイムかが聞こえたのでドアを開けてみると、両手で抱えた膝の上に頭を乗せて座り込んでいる彼女がいました。そして何かを呟いたのです。私の心に残る微かな痛みは、この時に感じたものに違いありません。

 私は夢について勉強したこともありませんし、自分の夢をあれこれ分析したこともありません(というか、殆ど見ない(≧∀≦))。でも、何故こんな夢を見たのかについては、思い当たるフシがあるのです。

 このブログを始めて半年くらいは、三宅由佳莉さんに関する記事を書き進める一方で、このブログの意味やファンとしてのスタンスなど、いろんなことに悩み自問することを繰り返していました。そして、そんな葛藤をも記事として吐露し、自らの心を整理しながら進んで来たのでした。多くの方からいただいた励ましのコメントにも本当に助けられました。

 昨年4月に書いた「三宅由佳莉さんのことを『書く』ということ」という記事で、「もう迷いはありません」と宣言し、以後、我が道を行けば良いというスタンスでやって来ました。

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 でも、本当は迷いや悩みが尽きることはなかったんです。

 特に大きいのは、昨年の秋以降、東京音楽隊の何人かの方がこのブログをお読みになっていることがわかって来たことです。東郷の杜で、赤嵜尚子さんから最初にお聞きした時は衝撃でした。もちろん大変に光栄なことではあるのですが、同時に畏れ多いことでもあり、爾来、かつての迷いとは別の観点で色々と考えさせられました。三宅由佳莉さんがこのブログをお読みになっている可能性も、ないわけではないと思えたからです。

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 このブログは、三宅由佳莉さん以外の隊員の方々から私が感じ取った素晴らしさについても書き綴ってきましたが、やはり三宅さんのことを書いた記事が圧倒的です。それらの中で、私は無邪気にも、ただただ応援するつもりで、その素晴らしさを賞賛し続けてきました。

 でも、仮に三宅由佳莉さんがお読みになった場合、どう感じるでしょう。励みになる面も確かにあるかも知れませんが、きっと、作り上げられたイメージを裏切らないよう最大限の努力をされるに違いありません。私の新たな迷いとは、「応援するつもりで書いていることが、彼女を追い詰めてはいないだろうか」というものでした。

 とは言え、ネット上には三宅由佳莉さんを賞賛する記事がそれこそ星の数ほどもあるのですから、私が迷ったところでどうなるものでもないと、正面から向き合うことなく過ごして来たのですが、もう限界に来ていたということだと思います。まさかの「夢」という形で自分自身から突きつけられたわけです。

 夢の中での弾けた感じの三宅さんは、高校、大学の同級生の皆さんがちらっと呟いたりした内容から、知らず知らずのうちに私の中で勝手にイメージされた「素の姿」なのだと思います。妙にリアルな夢でしたので、素の三宅さんは本当にこんな感じなのかも、と本気で思いました。そんな風に自分を解放していて欲しいという私の願望なのかも知れません。

 夢を見たことで、このブログのスタンスを大きく変えるつもりはありませんが、いつも迷いと自問を繰り返しながら、このブログを、そして私自身を成長させていければと思いました。

 最後に夢のことをもう少し…

 ドアの外で膝を抱えていた三宅さんは、私の迷いと恐れの象徴だったのでしょう。

 彼女はこう呟いたんです「これ以上私を苦しめないで」

三宅由佳莉さんがサンディエゴで歌う「ネッラ・ファンタジア」

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        (この写真はホノルルでの合同演奏会ものです)

 このところ、練習艦隊が中南米諸国を訪問した際の演奏会の動画等が、我がブログチームの皆さんの努力と機転により次々と発掘され、その情報をお寄せいただいたおかげで、初めて遠洋練習航海に参加されている三宅由佳莉さんの、寄港地での活躍の様子を、皆様と分かち合うことができています。

 私の印象では、グアテマラ、ペルー、そしてエクアドル中南米3カ国を訪問した際の各国の皆さんの反応は熱狂的なものだったように思います。

 入港歓迎行事や艦上レセプション、演奏会などの動画や写真も多く公開されましたし、ネット上への書き込みなども、日本の艦隊が寄港してくれたことへの喜びであふれていました。

 これらを見たうえで、ホノルルやサンディエゴでのことを思い返してみると、情報が非常に限られており、印象が薄い感じがします。日米両国が重要な同盟国同士であることを思えば、なんとなく寂しい気がしないでもありません。でも、逆に日本の艦隊の入港が特別なことではないまでに、両国関係が成熟しているということの証左であるとも言えると思います。

 さて、そんな米国での練習艦隊音楽隊の演奏会で三宅由佳莉さんが歌われている動画が、ようやくアップされました。サンディエゴに入港した際、市内のCivita Parkで行われた演奏会の様子です。最近、ブログチームとして情報提供してくださっている「作戦参謀」さんからの報告です。

 「作戦参謀」さんも仰っているとおり、かなりの遠景ですので、三宅由佳莉さんの仕草や表情は判然としませんが、その歌声は綺麗に録れています。早速ご覧ください。

m.youtube.com

 歌われている曲は「ネッラ・ファンタジア」です。18世紀の南米で、多くの苦難を乗り越えながら布教にあたったイエズス会宣教師らの人間模様を感動的に描いた1986年の英国映画「ミッション」のテーマを深く印象付けた「ガブリエルのオーボエ」という曲にイタリア語の歌詞を付けたもので、サラ・ブライトマンのアルバム「エデン」に収録されています。この動画のタイトルも「ガブリエルのオーボエ」となっていますね。そして良く聴いてください。三宅由佳莉さんはイタリア語ではなく英語で歌われています。英訳の歌詞もあったのですね。外国語での歌唱に自らの思いを載せるというのは大変難しいことだと思うのですが、三宅さんは、一つ一つの言葉を噛みしめるように、丁寧に歌われています。そしてそれが現地の皆さんにはきちんと届いたのだと思います。だからこそ、6月15日の演奏会から1ヶ月半も経過した7月29日においてなお、アップ主様に、この歌にフォーカスした動画を編集してアップするだけのモチベーションを与えたのでしょう。

 ところで、5月に行われた東京音楽隊のランチタイム・コンサートで、中川麻梨子さんが、東京音楽隊員として初めて公の場で歌われたのもこの曲でした。

www.youtube.com

それぞれ持ち味の異なるお二人の歌を聴き比べてみるのもいいかも知れません。

練習艦隊音楽隊、マサトランでの演奏会

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 先日、マサトラン(メキシコ)での練習艦隊音楽隊の公演をご覧になった「sgt」さんからのレポートを軸に、「すぎ」さんが見つけて下さった、艦上レセプションで三宅由佳莉さんが両国国歌を独唱される動画等を紹介する記事を書きました。

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 一応のまとめ記事でしたが、実は「すぎ」さんが発掘された動画は他にもあり、これらをどう処理するか、ちょっと迷いがあったものですから全てを紹介することができませんでした。各動画のアップ主様からの了承を取り付けた上で、私なりに編集した動画を作りたいのですが、返信をいただけるまでには時間がかかりそうです。そうする間にも、遠洋練習航海はどんどん進んで行ってしまいますので、とりあえず「すぎ」さんが発見された元動画をここで紹介しておきたいと思います。

 まず、現地メディアによると思われる動画です。画質も良く、三宅由佳莉さんが「さくらさくら」や「べサメムーチョ」をスペイン語で歌われるシーンも収録されています。「さくらさくら」ではメスドレスタイプの制服ですが、「べサメムーチョ」は第1種夏服タイプの制服で歌われています。この辺の演出の意図は不明ですが、他の寄港地でも同じように着替えられていますので、明確な目的があるのだと思います。

www.youtube.com

 次の動画は、一般聴衆が撮影されたものと思われ、しかもかなり後席から撮影されているので、どうしても画質は落ちますが、演奏会の半分ほどを通しで撮影されているので全体の雰囲気をつかむことができます。

www.youtube.com

 下のリンクは、この演奏会について書かれた記事です。スペイン語で書かれていますので、日本人には容易ではありませんし、翻訳ソフトではなかなか正確な意味が掴めませんが、注目されていることだけはわかります。

tvpacifico.mx

 いかがでしょうか、グアテマラ国立劇場での演奏会も、素晴らしい動画のおかげでその様子を知ることができましたが、マサトランでの演奏会についても、積極的な情報の提供が行われており、ありがたいですね。

ハリファックス・タトゥーついに…

 7月も今日で終わりですが、6月末から7月初旬にかけてカナダのハリファックスで開催された「ロイヤルノヴァスコシア・国際タトゥー」。我らが東京音楽隊の皆様が、約20日間にわたる大遠征を行い、地元カナダをはじめ、多くの国から集まった大観衆を前に演奏と演技を披露されました。

 これまで、断片的に得られた動画や写真を駆使して、なんとか現地での東京音楽隊の活躍の様子を再現しようと試みて来ましたが、相当無理がありました。

 全体動画、特に東京音楽隊の演奏の動画はまだ上がらないのかなぁと、毎日首を長くして待ちわびていましたが、ついに、海上自衛隊が公開してくれました。実際の編集作業は東京音楽隊が手がけたのではないでしょうか。ブログチームではお馴染みの「いかづち」さんからの速報により把握することができました。ありがとうございます。

 能書きはさておき、とにかく動画を見てみましょう。

www.youtube.com

 いや、もう画質といいコンテンツといい、お話にならないくらい充実しています。

 サムネイルやタイトル画面からして洗練されてますよね。

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 カナダデーのパレード(7月1日)も…

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 タトゥーフェスティバル(7月2日)での野外演奏会も…

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 カナダ海軍軍楽隊との合同演奏会も…

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 そしてもちろん、本公演での演奏・演技も…

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 全て、動画で表現されています(╹◡╹)

 観客の反応もよく伝わります。皆さん大満足されたようですね。

 太田紗和子さんの流麗なピアノ演奏は、一体何が始まるんだろうと、観るものの期待感を高めてくれます、中川麻梨子さんの「さくらさくら」だとは思いもしませんでした。会場は一気に「和」のテイストに染まります。そして、田中英暢さんのフルートで「SEIMEI」の口火が切られ、今回の目玉とも言える演技を交えた演奏が展開されます。

 東京音楽隊の演奏の全体像がわからず、モヤモヤしていましたが、これでようやく、ハリファックス・タトゥーに一区切りつけることができた感じです。

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