あれこれdiary

海自OBによる偏見御免徒然あれこれdiary

"Welcome Back Lunch Time concert" reported by ”IKAZUCHI”

 前記事でご紹介した「いかづち」さんの演奏会レポートです。

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 当日、会場に足を運ぶことができなかった皆さん、このレポートで当日の様子を思い浮かべてください。ちょっと偏りがあるかも知れませんけど(╹◡╹)

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 12日にさいたま新都心で開催された海上自衛隊東京音楽隊のランチタイムコンサートに足を運んできました。

 

 ブログチームの何時もの集合時間(そんなのあるのかな?)に会場に到着しましたがまだ誰も来ていません。日程を間違えたかな?なんてアホな事を考えていたら程なくシャラポワさんがいらっしゃいました。続いて斎藤さん、Galleryさんと続々到着されます。皆さんには久し振りにお会いしましたが、お元気な様です。

 09:30に東京音楽隊の皆さんが到着。機材を搬入開始します。何時も通りテキパキと作業が進みます。皆さん笑顔ですね。こちらも嬉しくなってしまいます。やっとコロナ前の活動に戻れたと言う現れかな?と思いました。

 その後、リハが始まります。ネタバレしないように極力短い演奏でしたがオッ!これ、私が好きな曲と直ぐに分る一曲が、本番が楽しみです。

 それから開場(11:00)迄が長かった。

 リハで確認出来た、好きな曲の演奏者が良く撮影出来る位置を確保。

 これで一安心です。隊員の皆さんもミーティングの後一足早いお昼休みに入られました。

 

 私も食事を取り席に戻ると、隊員の方々も戻り始めていました。観客の方とお話しされている方もいらっしゃいます。

 そうだ、岩田さんにご挨拶しなくては!

 周りを見渡していると程なく戻って来られる岩田さんを発見。集合時間までにはまだ余裕が有りましたので、演奏会前では有りましたが声掛けさせて頂きました。

 岩田さんとお話しするのは観艦式・赤レンガの演奏会以来になります。もうすぐ1年経っちゃいますね。

 

 「東京音楽隊の新譜聴きましたよ。岩田さんのベースがピリッと効いた楽曲が収録されていて、とっても良いですね。と切り出したら

 そうなんですか?

 マスター音源は渡されたんですがまだ聴けてないんです。」

 えー!聴いてないの?もしもーし、岩田さ〜ん。

 出だしから、いきなり滑ってしまいました。

 でもプロの演奏家の方々は多くの演奏をされるので仕方ないのでしょうね。

 又、赤レンガの演奏会で教育隊に行かれていたと伺っていたので、どれ位の期間だったのか尋ねた所「1年半行ってました。 全く演奏会がなかったものですから。」

 これを伺って今や過去の事になりつつあるコロナ禍での我慢の生活を一瞬思い出しました。

 

 本当にランチタイムコンサートが戻って来てくれてよかった!

 岩田さん、慌ただしい時に有難うございました。

 

 演奏会の様子は大先輩の方々がYouTubeに沢山アップされていますのでご覧ください。

 私も拙い動画をアップしていますので、お暇な時にでもご覧ください。

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以上、報告終わり。

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 はい、「いかづち」さん、ありがとうございました。

 本当に「Welcome back!」ですよね(^^)

 ちょっと、岩田さんにフォーカスしすぎに思えますけど、何しろ筋金入りの「有可里スト」ですから仕方ありません(╹◡╹)

 今回は、赤嵜尚子さんメインのルパン三世のテーマがあったんですね、私が赤嵜さんに注目し始めたのも、この曲の動画でした。是非生で聴いてみたかったな〜(≧∀≦)

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 「いかづち」さん、動画のアップもありがとうございます。

 そんな「いかづち」さんのYouTubeチャンネルも、動画の本数が増えてきましたね。

 視聴回数が増えると、動画作成の励みにもなりますので、是非、チャンネル登録で応援してあげてください。

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生きてます(╹◡╹)

 久しぶりの投稿になります。

 前回の投稿が、なんと2月25日ですので7ヶ月ぶり∑(゚Д゚)

「ついにくたばったか(^^)」と思われた向きもあったかも知れませんが、生憎いまだに生きてます。

 この半年あまりの間に、コロナ騒動も一区切りつき、世の中全般が正常化していくなか、音楽隊の演奏活動もようやく以前のペースに近づいてきましたね。

 YouTubeには新たな動画がアップされ、X(旧Twitter)には写真や記事のポストが相次いでいますが、私個人としては、不運続きでこの波に全然乗れていません(≧∀≦)

 先日(2023年9月1日金曜日)、文京シビックホールの大ホールで行われた、東京音楽隊の第65回定例演奏会は、このところの御多分に洩れず「落選」でしたし、2日前(9月14日)に私の職場の目と鼻の先で行われたランチタイムコンサートは、「絶対行くぞ!」と意気込んでいたにも関わらず、絶妙なタイミングで職場での予期せぬ事態が重なり断念せざるを得ませんでした。更に言えば、ランチタイムコンサートの当日、O先輩のお取り計らいで、すみだトリフォニーホールで開催された陸上自衛隊中央音楽隊の第170回定期演奏会に行ける段取りになっていたにも関わらず、仕事の予定が急遽変更になったため、結局諦めることになってしまいました。

 以前流行った「天冲殺」というやつでしょうか(≧∀≦)

 それでも、久しぶりに記事を書く気になったのは、9月12日にさいたまスーパーアリーナのけやき広場で開催された東京音楽隊のランチタイムコンサート(火曜コンサート)に行かれた「いかづち」さんが、レポートを送ってくださったからです。

 「いかづち」レポートも久しぶりですね。

 この記事の後に続けて投稿しますので、会場に足を運ぶことができなかったみなさんは、演奏会の様子をお楽しみください(╹◡╹)

東京音楽隊第62回定期演奏会

 昨日(2023年2月24日)、「すみだトリフォニーホール」で開催された、海上自衛隊東京音楽隊の第62回定期演奏会を聴きに行ってまいりました。

 昨年2月20日、「サントリーホール」での第61回定期に引き続き、2年連続の開催となります……と、わざわざ言わねばならないほど、演奏会の開催が難しい時期が長く続きましたよね。

 定期演奏会に限ってみても、2019年2月10日に「サントリーホール」で第58回定期が開催された後は、2020年の第59回定期、2021年の第60回定期が、いずれも「サントリーホール」での開催が予定されていながら中止され、「欠番」となってしまいました。

 そして、ようやく開催された昨年の第61回定期演奏会は、私は当選しませんでしたし、開催当日は遠出することになってしまったため、たとえチケットが届いても会場に足を運ぶことができませんでした。

 というわけで、私にとっては4年ぶり、オリンピック的位置付けの今回の定期演奏会です。昨年の12月には、早々に休暇を取得していたほど楽しみにしていました。

 「すみだトリフォニーホール」は、JR錦糸町駅のすぐ近くにあります。

 この会場を訪れるのは、2018年12月14日に開催された、東京音楽隊の第59回定例演奏会(ハートウォーミングコンサート)以来です。

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 この時は、錦糸町駅に着いた頃には辺りはすっかり暗くなっていたので気づかなかったことがあるんです。

 トリフォニーホールへ行くには、錦糸町駅の北口から出ます。

 そして、北口を出ると…

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 ちょっと慌ただしい動画ですが、真正面の奥に東京スカイツリーが聳え立っているのが分かると思います。

 そして、このショート動画をアップするため、駅前の隅の方で入力作業をしている時に、すぐ近くで、二人の女性よる「大湊」が云々という会話が聞こえたものですから、「おや?」とスマホから視線を上げると、ほぼほぼ目の前に、海上自衛隊の冬制服を着用された岩田有可里さんが立っていらっしゃるではありませんか! 会話のお相手は、私服ではありますが、会話の内容から判断して海上自衛官だと思われます。何と言う偶然にして千載一遇の機会ではありますが、お二人の会話が大変盛り上がっていましたので、そこは遠慮して、岩田さんに目礼だけさせていただきました。岩田さんも気づいてくださったのではないかと思います(希望に基づく勝手な解釈(╹◡╹))。程なく、お二人は駅前のビルの中に吸い込まれて行かれました。

 この後、会場で「いかつち」さんとお会いした時に、「道を歩いてたら目の前を岩田さんと思しき方が、私服の女性と連れ立って歩いておられたけど、気づいたら消えてた」との話がありました。うん、それ間違いなく岩田さんでしょう(╹◡╹)

 ちょっと早めに会場前に辿り着きましたが、jubijubizhyさんはすでに到着されていました。海上自衛隊音楽隊の、これ以上ないくらい熱心なファンのお一人ですが、今回はトレードマークである海自迷彩柄のジャンパーと護衛艦「きりしま」の部隊識別帽という出立です。

 時間があるので、エントランス付近の様子をちょっと撮影してみました。

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 そうこうするうちに、エトランス前のスペースには演奏会を聴きにこられたと思われる方々がどんどん増えていき、「いかづち」さん、「斉藤さん」、「シャラポワ」さんと合流しました。少し遅れて「スペリアFUJI」さん、「潜水士さん」とも挨拶を交わすことができました。

 また、海自の先輩OBであり、私の現在の職場の先輩OBでもあるO先輩からお声掛けをいただき、その直後に「Johsan」さんとも久々にお会いすることができました。また、会場内に入ってからは、海自の1期先輩であるMさん(以前、水交会湘南支部東京音楽隊研修の際にご一緒させていただいた方です)にもお目にかかることができました。

 やはり、現場ならではのダイナミズムというものがあるなと感じた次第です。

 会場に入り、ステージ上を見ますと、左端にグランドピアノが奥に向かって置かれ、その右隣では、荒木美佳さんがハープのチューニングをされていました。今日も海幕から応援に来られているようです。MCも荒木さんなんでしょうか。

 今回の演奏会では、聴衆が入場を続ける中、本公演に先立つプレコンサートが行われました。演奏が始まった時、私はロビーで知人と話をしていたものですから、どのようにスタートしたのかは見ていませんが、私が観始めてからも新たなメンバーが加わっていく様子から、フラッシュモブ的に始まったんじゃないかと思います。

 とても楽しいプチ演奏会でした。

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 さて、いよいよ本公演の始まりですが、今回の演奏会のセットリストを見て見ましょう。

   

 なんとなく、あっさりした感じですね。でも、第1部には橋本晃作さん、三宅由佳莉さんの歌が入り、なんと!太田沙和子さんの「ラプソディ・イン・ブルー」が・・・

 2018年7月7日に川越で行われた3自衛隊合同演奏会での衝撃を思い出します。

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 開演時間となり、盛んな拍手の中、両袖から隊員の皆さんが次々に登場され、それぞれのポジションに着いていかれます。近藤悟史さんリードによるチューニングが終わると左袖から植田隊長が登場され、拍手に応えたのち指揮台に上がります。

第1部

1曲目:歌劇「絹のはしご」序曲/G.ロッシーニ

 吹奏楽の動画が見つかりませんでしたので、管弦楽で。

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 演奏が終わったところで、左袖から荒木美佳さんの登場で、会場にはまた拍手が湧き上がります。「皆さんこんばんは〜」と挨拶されますが、なんとマイクのスイッチがオフになっており、スイッチを入れ直して再び「皆さんこんばんは〜!」と、懐かしい元気な声! 最近MCの機会も減ったので、ちょっと緊張されているのかもしれません。

 荒木さんによると、オペラの序曲は、そのオペラのテーマを反映するもので、「絹のはしご」は、現代風に言うとラブコメディのような作品であるため、序曲も楽しく明るい雰囲気であるとのことでした。

 

2曲目:女心の歌〜リゴレット・ファンタジー/G.ヴェルディ、編曲:伊藤康秀

 女心の歌は、オペラ「リゴレット」の第3幕で歌われるアリアで、女は移り気で、思わせぶりで、涙の裏では笑っている、といった男のぼやきのような歌です。

 もちろん、橋本晃作さんが歌われ、楽器の音量に負けない迫力あるテノールを存分に聴かせてくださいました。なんだか会場がピシッと締まる感じがしました。客席にも満足感が広がっていくようでした。

 私の後ろの席の方々が、橋本さんのファンらしく、次に聴ける機会はいつであるとかそのような会話を仕切りにされていましたが、これからもどんどん人気の輪が広がっていくことでしょう。

 橋本さんの歌が終わると、割れんばかりの拍手喝采が巻き起こり、橋本さんも、満面の笑顔でこれに応えておられました。左袖に履けた後も、鳴り止まないカーテンコールの拍手に、橋本さんは再び登場され、これに応えておられました。いい感じです。

 演奏会で披露された伊藤康秀さん編曲のリゴレット・ファンタジーの動画を埋めますが、この動画では、歌唱部分も演奏のみです。

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 そこで、橋本晃作さんが歌われた歌唱部分はパバロッティの動画を別途埋め込むことにします。

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3曲目:早春譜/吉丸一昌

 橋本さんのテノールで、テンションが上がり気味の会場は、引き続き予定されている三宅由佳莉さんの登場を待ちます。

 荒木さんから、オペラにも素晴らしい作品がたくさんあるけれども、日本にも歌い継いでいきたい美しい歌が多い、早春譜もそんな歌の一つだと紹介がありました。

 多くの人に愛されているこの曲、メロディももちろん素晴らしいのですが、その歌詞がまた、非常に美しいなと思います。

 演奏が始まると、左袖から三宅由佳莉さんが静々と登場して来られました。曲の雰囲気に合わせた登場の仕方なのでしょうね。最近私が拝聴した三宅さんの歌唱は、長野公演の際の、デーモン風「地上の星」でしたから、このような、三宅さんらしいしっとりとした歌は本当に久しぶりです。なんというか、遠目に見ても、纏っている雰囲気が円やかですし、年を経るにつれ、あらゆる意味で大きく成長されていることがよく伝わってきます。素晴らしい歌声でした。

 三宅さんの歌が終わるや、大喝采が湧き上がったことは言うまでもありません。三宅さんの歌が聴きたくて来られている方も多いことでしょうし。

 歌が終わったところで、荒木さんから「歌は、三宅由佳莉2等海曹でした」と紹介があり、会場からは再び大きな拍手が送られると、三宅さんも満面の笑顔です。

 三宅さんは会場に深々とお辞儀をされ、ステージの近くに顔見知りの方がいらっしゃったのか、そちらへ手を振ったり、会場全体にも手を振りながら左袖へはけていかれました。ここでもやはり鳴り止まないカーテンコールに三宅さんが再び登場して、笑顔で応えておられました。

 荒木さんが言われたとおり、オペラもいいけど日本の唱歌はやっぱり日本人の心を打つなぁと、しみじみ感じた次第です。

 三宅由佳莉さんは、演奏会や番組出演など、多くの場面でこの歌を歌ってこられましたが、動画として残されているものはないようで、見つけることができませんでした。

 ですから、楽しめるように歌詞を確認できる動画を埋めておきます。

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4曲目:ラプソディ・イン・ブルー/G.ガーシュウィン

 これはもう、ガーシュインといえば、と言っても良いほど有名ですし、人気もありますし、何より魅力的な曲だと思います。

 荒木さんの解説では、シンフォニックジャズを代表する作品であり、ジャズとクラシックの要素を併せ持つ曲なのだとのことでした。

 この曲の解説は、ちょっと長くなったのですが、それには訳があります。当初ステージ左脇に奥に向かって設置されていたグランドピアノをステージ中央まで移動する必要があったからです。ステージ上の大きなピアノを移動する様子を見る機会はなかなかありませんので、とても興味深く拝見させていただきました。

 ピアノのセットが終わり、荒木さんから、「ピアノは、1等海曹・太田沙和子です」と紹介があり、太田さんが左袖から登場されると、会場からは期待を込めた大きな拍手が送られました。

 正直言って、太田さんがこの曲を弾かれるのを再び聴くことができるとは、思っていなかったものですから、会場入り口でパンフレットを手にした時、「嘘だろ」と思ったほどでした。

 前回は、最前列の中央に座っていたため、太田さんの演奏の迫力を支えきれずに疲労困憊してしまいましたが、今回はかなり離れた後方からの鑑賞ですので、余裕を持って楽しめました。なんにせよ、バンドも、ピアノも素晴らしい演奏で、前回にも増して感動を覚えました。やっぱりすごいな(╹◡╹)

 演奏が、終わると、歌手のお二人に送られた拍手とはまた意味合いの違う大喝采が巻き起こりました。太田さんはいつものように、ちょっとはにかむようにこれに応え、退場されましたが、やはりカーテンコールを求める拍手は鳴り止まず、再び登場されて大喝采に応えておられました。

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INTER MISSION

 休憩に入りましたが、現状では、まだステージ上の隊員の皆さんに直接声掛けするのは憚られますので、パーカッションの赤嵜尚子さん、コントラバス岩田有可里さんなどへのご挨拶は控えることにしました。

 今回の演奏会では、ちょっとステージが遠かったのでよく見えていないところもあるのですが、赤嵜さんは、ステージ奥のパーカッションエリアには行かれず、ずっとマレットゾーンにおられたと思います、ちょっと珍しいなと思いました。

 岩田さんは、今回エレキベースはなしで、コントラバス一本槍でした、遠かったですけど、ベースの音が心地よく響いてました。

 

第2部

1曲目:白鯨と旅路をともに/R.ガランテ

 荒木さんの曲紹介では、まるで映画音楽のように、情景が色鮮やかに目に浮かぶような華やかな曲調というような表現だったと思いますが、まさにその通りで、私は聴きながら、時々、西部劇の映画のようなイメージが浮かびました。とても素敵な曲だと思います。

 荒木さんはまた、海上自衛隊には「はくげい」という潜水艦があり、この3月に就役予定であることから、自分たちにとっては身近に感じる曲でもあると、ちゃっかり宣伝もされてました。さすがは海幕広報室員。

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2曲目:詩的間奏曲/J.バーンズ

 現代の吹奏楽界において、最も有名でまた人気の高い作曲家であるジェームズ・バーンズ氏の数多くの作品の中でも、しっとりとした抒情的な曲である詩的間奏曲という紹介だったと思います。バーンズ氏は、前東京音楽隊長の樋口好雄さんとの交流も深く、東京音楽隊を訪ねられた時の様子が、東音のホームページにも掲載されていましたね。

 曲紹介が終わると、荒木さんはそのままハープに就かれ、演奏も披露してくださいました。

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3曲目:エスカペイド/J.スパニョーラ

 荒木さんの曲紹介によると、この曲は、スパニョーラが米空軍軍楽隊に在籍していた時に作曲されたもので、曲を作るにあたっては、何かに縛られることなく、最初に得た着想から次々と浮かんでくる思いやアイディアを自由に展開して行こうと考えていたのだそうです。そして、空軍のバンドのメンバーなら、難なくそれをこなしてくれると信じていたのだとか。エスカペイドには冒険という意味があり、まさにこの曲の冒険的性格を表しているのではないか、とのことでした。

 因みに、米軍の軍楽隊の中では、空軍が最もレベルが高いのだという評価を何かで読んで記憶があります、確かではありません(^^)

 そんな風に作られた曲なので、実験的な要素も多く含まれているのでしょう。ちょっとびっくりするような曲かもしれません。

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4曲目:ダンソン第2番/A.マルケス

 「時間が経つのは早いもので、この演奏会も最後の曲となってしまいました」との語り口で荒木さんの曲紹介が始まりました。本当に早いですね。

 今回は、「今こうしている時にも、皆様の目の届きにくい海の彼方で、暗い海の中で、そして空の彼方で任務に就いている多くの海上自衛官がいることを知っていただければ幸いです」との口上は、このタイミングではなく、結構早めにされていました。どのタイミングだったかは失念しましたが、いつもとは違うなぁと感じた次第です。

 それはともかく、最後の曲ですが、荒木さんの紹介では、ダンソンとはキューバのダンス音楽で、「ダンソン第2番」は、確かメキシコの高校?からの委嘱で作曲され、初演されるや大好評となり、現在ではメキシコの第2の国歌とまで言われていること、現在、世界的にも人気と知名度が上がりつつある曲であることなどが紹介されました。

 交響楽団の音ですけどお聴きください。

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 全ての演奏が終わり、植田隊長は喝采に応えつつ退場されますが、もちろん、会場からは「アンコール」を求める拍手が鳴り止みません。三宅由佳莉さんや橋本晃作さんの歌が聴けるかもしれないという期待が籠っていたと思います。

 鳴り止まない拍手の中、隊長と共に三宅由佳莉さんと橋本晃作さんが登場したため、会場は大盛り上がりとなりました。二人で歌ってくれるんですね。さて何を?

 先日亡くなられた松本零士さんへのオマージュという意味も込めて、宇宙戦艦ヤマトというのもありなのかも知れませんが、演奏会の曲目は相当前から決められているでしょうし、定期演奏会ということもありますから、ここは堅いところで決めてこれらました。

 

アンコール①:歌劇「椿姫」より「乾杯の歌」/G.ヴェルディ

 先日の宇都宮での横音のコンサートでも演奏された、歌劇「椿姫」から、「乾杯の歌」が、声楽家のお二人によって披露されました。

 橋本さんのオペラ歌唱は、これまで何度かお聴きする機会がありましたが、三宅由佳莉さんによる、生のオペラ歌唱は、私は初めてです。

 橋本さんの安定感のあるテノールが口火を切って歌われて行きます。そして三宅由佳莉さんの歌い出し、小気味のいい巻き舌から始まるイタリア語の歌詞が美しいソプラノで紡ぎ出されるのです。

 東京音楽隊は、橋本さんを採用した時から、これがやりたかったに違いないと思えるほど、形になっている、はまっている、そんなステージです。これまで、披露する機会が奪われ続けてきましたから、満を持しての東音オペラの開幕ということではないのでしょうか。これから、どんな展開があるのか楽しみで仕方ありません(╹◡╹)

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 会場もなんだか浮き足だっています。

 お二人が歌い終えるや、大喝采に加え「ブラボー!」が何本もかかりました。

 本当に素晴らしかったです。お二人は興奮覚めやらぬ会場に何度もお辞儀をして、手を振りながら退場されましたが、もちろん、本日4度目のカーテンコールを求める拍手はさらに高まります。

 お二人が揃って再び登場され、声援に応えておられました。

 うん、よかった。

 お二人と植田隊長が退場されても拍手は鳴り止みません、もちろんんアンコールですよね。植田隊長が登場され、指揮台に上ります。

アンコール②:行進曲「軍艦」/瀬戸口藤吉

 盛り上がっている会場は、最初から手拍子で演奏に参加します。気持ち良いです。

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 演奏が終わり、隊長が退場されても、拍手は全く鳴り止みません。「軍艦」演った後にもう一曲はないことは皆さん分かっているのですけど、拍手し続けたい、そんな感じではなかったかと思います。

 今回は、昨年に引き続き開催できたとはいえ、この1年間も状況は不安定であり続けたこと、それとは裏腹に正常化の道筋も見えてきたこと、そして太田沙和子さんの驚愕のピアノ演奏、そして三宅由佳莉さん、橋本晃作さんによるオペラが披露されたこと、それらが会場の皆さんの心を掴んだからこそ、「やめたくない」拍手が続いたんだと思います。

 私にとって、4年ぶり、2回目の東京音楽隊定期演奏会。心の底から堪能させていただきました。音楽隊の皆様、お疲れ様でした、そして素晴らしい演奏をありがとうございました。

横須賀音楽隊スプリングコンサート@宇都宮

 建国記念日の昨日(2023年2月11日)、宇都宮市文化会館で開催された、横須賀音楽隊のスプリングコンサートを聴きに行ってきました。

 「いかづち」さんが当選されて、その同伴者として招待してくださったのです。

 実は、1月28日に甲府で開催された同隊の演奏会も、「jubijubizhy」さんが当選され、やはり同伴者として誘ってくださったのですが、折り悪しく風邪を拗らせていたものですから断念せざるを得ませんでした。ですから、今回の演奏会には、2回分の期待感を込めて行って参りました。

 宇都宮に全く馴染みがない私には「餃子」くらいしか頭に浮かばないのですが、未知の土地に足を踏み入れること自体がとても楽しみです。

 そもそも、宇都宮までどうやって行けばいいのかな、と思い調べてみると、何と、最近私のホームとなっている新宿から、湘南新宿ラインで直行できることがわかりました。新宿駅の6番ホームから乗り込みましたが、休日なのに結構混んでます。

 ところが、停車するたびにだんだん乗客が少なくなって、ついにはスカスカになってしまいました。休日はこんなもんなんですね。

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 前日は、関東一円でかなりの降雪がありましたし、北関東の冬は空っ風が厳しいところと聞きますので、しっかり厚着をして出かけたのですが、正午前に宇都宮駅に着き、外に出てみると、抜けるような青空と降り注ぐ陽光、そして風が全く吹いていないので厚着の私には暑いほどでした。まぁ寒いよりいいか(^^)

 会場の宇都宮市文化会館までは4kmほどですので、街並みを楽しみながら徒歩で向かいます。駅から少し離れると、天気が良いにも拘らず、歩行者がほとんどいません。皆さん移動は車なんでしょうね。

 開演は1400ですが、1300開場で「いかづち」さんは1230頃には会場入りするとのことでしたので、コンビニでおにぎりを購入、食べながら向かいます。あまり行儀は良くありませんが、他に歩行者もいないし良いこととします。

 歩くと、色々と発見があるので、私は徒歩での移動が大好きです。

 この歩道橋もそんな一つ、見た瞬間「おや?」と思い撮影しました。


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 「桜馬場愛の歩道橋」…なんだか素敵なネーミングですが、調べてみても、なぜこの名が冠されているのかが分かりません。桜馬場という地名もないようですし…謎です

 ともあれ、小一時間で会場に辿りきました。立派な建物です。


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 横須賀音楽隊の皆さんが乗ってこられたバスや楽器運搬車はちょうどこの建物の裏に停めてあり、先に到着していた「いかづち」さんがそれらを撮影してLINEで送ってくれていました。

 さて、「いかづち」さんと合流して入場、指定された席へ向かいます。今回の私たちの席は2階の一番後ろのブロックの最前列です。ステージは遥か彼方ですが、全体がよく見えます。

 会場には、「スペリアFUJI」さんと「ギャラリー」さんもいらっしゃったので、ご挨拶と情報交換(私はもらうだけですけど(≧∀≦))ができました。

 私たちが入場した時には、まだまだ人の入りが少なかったので、会場内の様子を撮影してみました(因みに、演奏中の撮影や録画・録音は禁止されていましたが、それ以外は、特段の制限はありませんでした)。

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 そうこうするうちに、開演時間が迫ってきます。入場者はどんどん増えて、会場を埋めていきます。こんなにたくさんの人が入った会場を見るのも久しぶりです。隊員の皆さんも演奏するのが楽しみなんじゃないでしょうか。

 さて、今回の演奏会のプログラムです。

 ご覧のとおり、2部構成となっており、第1部はクラシックを中心に、第2部はカジュアルな楽曲で構成されています。第1部の指揮は、横須賀音楽隊音楽科長の岩田知明さん、第2部の指揮は、以前、東京音楽隊の副長もされていた、横須賀音楽隊長の北村善弘さんです。

 第1部も第2部も、中川麻梨子さんのボーカルが入ってます。中川さんの歌を生で聴くのも久しぶりなので楽しみです。

 1400となりましたが、開演に先立ち、この演奏会の主催者である栃木県防衛協会の青木勲会長からご挨拶がありました。防衛協会の役割や周辺情勢などを述べられるなか、災害派遣で活動した部隊が撤収する際、子供達が小さな日の丸の旗を一生懸命振りながら見送りをしている姿などを見ると、熱い思いが込み上げてくるといったお話や、海上自衛隊音楽隊の前身である帝国海軍軍楽隊のことにも触れられ、連合艦隊司令部での昼奏楽や市中パレードなどの華やかな面のみならず、戦時には砲弾の運搬などにもあたっていたことなどを紹介され、音楽隊の演奏会は、そのような歴史を振り返る良い機会でもあると仰っていました。

 青木会長のご挨拶が終わり、いよいよ演奏会が始まります。

 隊員の皆さんが、左右の袖から次々と入場されてきますが、当初会場はシーンと静まり返っています。拍手はしたいんだけど、何となく躊躇っているという感じがしました。おそらく、長いことコンサートから遠ざかっていたからなのではないでしょうか。でも、2階席から拍手が始まると、あっという間に会場全体に広がりました。何だか一瞬でコロナ以前に戻ったような感じです。

 そして、左袖から、モーニングタイプの演奏服に身を包んだ岩田1尉が登場すると、さらに拍手は盛り上がります。

 客席に向かって挨拶をされた後、指揮台に上りタクトの一振りで演奏が開始されました。

第1部

1曲目:理想の海へ(平成22年横須賀音楽隊委嘱作品)/作曲:清水大輔

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 私は初めて聴いたのですが、まるでスターウォーズのテーマのような、軽快かつ勇壮な曲だなと思いました。

 演奏が終わったところで、左袖から女性隊員が登場し、「皆さん、こんにちは!」と挨拶されました。第1部のMCを担当される方です。自己紹介で、「海士長・谷端むつみです」と仰いました、谷端さんよろしくおねがいします。

 滑舌も良く、とても心地よく聞きやすい声質です。だからMCに抜擢されているのではないでしょうか。

 

2曲目:歌劇「椿姫」セレクション/作曲:G.ヴェルディ

 MCの谷端さんから2曲目が紹介され、ヴェルディの歌劇「椿姫」から、「乾杯の歌」や「花から花へ」など数曲を選んで編曲されたものということです。

 編曲されたのは横須賀音楽隊の小村英生さんなのですが、この作品はYouTube上では見つけることができませんでした。そこで、雰囲気だけでもと、「乾杯の歌」の動画を埋めておきます。なお、演奏会では吹奏のみで歌唱はありませんでしたが、歌唱なしの動画はおそらくないと思います。

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3曲目:歌劇「蝶々夫人」より「ある晴れた日に」/作曲:G.プッチーニ

 長崎が舞台の歌劇「蝶々夫人」、アメリカ海軍のピンカートン中佐との結婚が、彼が長崎に滞在している間だけのものであるとは知らず、中佐の帰国後も、二人の間に生まれた子とともに、再来を信じて待ち続ける。そんな切ない心情を表現する「ある晴れた日に」…中川麻梨子さんの出番です。

 曲lの紹介が行われている最中、ステージ上からはかなりの隊員の方々が楽器を置いて両袖に履けて行かれました。曲調からしても少人数での演奏となるのでしょう。

 左袖から中川さんが現れると、会場内には拍手が湧き上がります。遠いので表情は分かりませんが、会場を埋め尽くす聴衆を目の前にして、気合も入ったんじゃないでしょうか。伸びやかな声で、この曲を歌い上げられました。

 いい声ですね。いつ拝聴しても安定感がありますし、重層的な厚みが感じられる心地の良い歌声だと思います。

 YouTubeに、中川さんご自身が歌われる動画があったのですが、何故か音声が消えているため(≧∀≦)、山口水蛍さんの動画を埋めておきます。

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4曲目吹奏楽のための第1組曲 /作曲:G.ホルスト

 ホルストと言えば、組曲の「惑星」が何といっても有名ですが、吹奏楽のための組曲も手掛けていたんですね。

 MCの谷端さんによると、この曲は吹奏楽関係者に愛され、日本でも多くの吹奏楽団が演奏しているそうです。また、日本の吹奏楽lの淵源は、約150年前に英国陸軍軍楽隊のジョン・ウィリアム・フェントンが薩摩藩の若い藩士たちに吹奏楽を教えたことにあるとのことで、英国人作曲家であるホルストの曲が選ばれたということでしょう。

 谷端さんによると、この曲は、3拍子のシャコンヌ、軽快で疾走感のあるインテルメッツォ、そして勇壮なマーチの3つの楽章から成りますが、「この3曲を、間を空けずに一気に演奏します」とのことでした。でも、シャコンヌからインテルメッツォに移行するところで、一部から拍手が起きました。おそらく、音楽に造詣の深い方々なのではないでしょうか。シャコンヌが終わったところで、反射的に拍手してしまったのではないかと思います。

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 演奏が終わり、岩田1尉が観客席に深々とお辞儀をして左袖に履けて行かれますが、拍手は鳴り止みません。が、会場の照明が点灯され、「これにて第1部の演奏は終了となります」とのアナウンスが流れたので、拍手も鳴り止みました。いや、第1部の終了時にアンコールはないでしょう、とは思いつつ、皆さんもっと聴きたいという気持ちが強かったんでしょうね。

 ここで、休憩に入ります。

 

INTER MISSION

 

第2部

 第2部が始まりますが、隊員の皆さんの入場の仕方が面白かったです。第1部は、ちょっとかしこまった風だったのですが、第2部は、会場に向かって手を振りながら入られる方、5人くらいで駆け足で入場される方々など、それぞれにちょっとした趣向を凝らしてステージに散って行かれます。第1部と違って、カジュアルに行くよーというメッセージなのでしょう。会場は最初から拍手で迎えます。

 そして、横須賀音楽隊長の登場で、拍手はさらに盛り上がります。そして左袖からは中川麻梨子さんが登場し、第2部のMCを担当すると仰ると、また大きな拍手が湧き上がりました。

 

1曲目:ディズニー・クラシックス・レビュー /作曲:山里佐和子

 みんな大好きディズニーワールドからの選曲です。

 トランペットチームによる「グァグァグァ」というアヒルの鳴き声や、パートが目まぐるしく変わる演奏など、とても楽しい構成になっています。

 動画を見て楽しんでいただければと思います。

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2曲目スーパーマリオブラザーズ /作曲:近藤正治

 日本が世界に誇るゲームの一つですよね。私がまだ20代半ばの頃に任天堂から、「ファミコン」のソフトとして発売され、まさに社会現象とまで言われるほどの大ブームが起きた代物です。私も夢中になった時期がありました。本当によくできたゲームだったと思います。中川さんによると、40年を経た今でも新しいバージョンが登場し、映画化も勧められているとのこと、いやはや、当時の日本は本当に凄まじいパワーを持っていたんだなぁと、つくづく感じさせられます。

 それはともかく、演奏です。出だしから、ワクワクさせられますし、曲調が変わるたびにゲームのシーンが目に浮かびます。曲だけでも本当に楽しめますよね。この曲の演奏にあたっては、パーカッションの皆さんの活躍が目覚ましかったと思います。

 ゲームの中でマリオがジャンプして金貨を手にいれる際の「チャリン・チャリン」という音や、マリオが巨大化する時の遷移音、など、実に細かいところを、パーカッションチームが見事に演奏されてました。見事という他ないでしょう👏

 横須賀音楽隊が野外で演奏している5年前の動画がありましたので埋めます。

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3曲目:日本の四季

 MCの中川麻梨子さんが、周囲を海で囲まれ、寒流と暖流の影響を受けるが故に四季の違いがはっきりする日本には、四季折々の風情を表現した美しい歌が多いと紹介され、そのままステージ中央のスタンドマイクの前へ。そうです、本日2回目の歌唱となります。

 21世紀に歌い継ぎたい日本のメドレー、というコピーがつけられたこの曲の構成は、記憶に違いがなければ次のとおりです。

 朧月夜〜我は海の子〜夏は来ぬ〜里の秋〜故郷

 聴き慣れた唱歌も、中川さんが歌うと何だか別のものに聴こえてきますね。素晴らしい歌声でした。

 

4曲目:マンボ・イン

 この曲の演奏に先立ち、中川さんから、「この曲では、会場の皆様にも演奏に参加していただきます。」と突然の通告です。「演奏の経験がない、演奏したくても楽器を持って来ていない、でも大丈夫、皆さんには手拍子で参加して頂きます。」とのことで一安心。中川さんによると、「今から演奏するマンボには、クラーベという独特のリズムが非常に大切です。それをちょっと練習してみましょう。」ということで、パーカッションのお二人がステージの前の方へコンガなどの打楽器を運び、そこでリズムを刻み、それに合わせて会場が手拍子の練習をするのですが、打楽器の音からリズムを拾うのも大変です。他の隊員の皆さんがステージ上で手本を示してくださるので、みんな何とかついていけた感じです。そして、曲の途中で音楽隊長が客席の方に向き直り、合図をするのでその時にみんなで手拍子参加という段取りとなりました。

 これが実に楽しかったです。会場とステージが一体となってこの曲で盛り上がったという感じでしょうか。

 舞鶴音楽隊の演奏会での「マンボ・イン」の動画がありましたので埋めておきます。

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 この動画で、ステージ奥のパーカッショントリオの真ん中で演奏しているのが山崎2曹という方なのですが、実に楽しい人柄が伝わって来ますよね。

 実は、今回の宇都宮演奏会で、この山崎2曹の演奏を直に観ることができました。

 先ほどのクラーベの練習の際、ステージ前方でコンガと叩いていたのが山崎さんです。この時も本当に楽しい雰囲気が会場全体に伝わりました。ものすごいパワーを持った方だなぁと改めて思いましたし、楽しみがまた一つ増えました。

 

5曲目:スウィングしなきゃ意味がない

 演奏会最終曲です。

 「この曲を楽しくしているのは、メロディでも音でもない、リズムだ!」中川さんの曲紹介で印象に残った言葉です。なんかわかる気がする。スウィングしなきゃ意味がない。横須賀音楽隊の9年前の野外動画がありましたので、埋めておきます。

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 この曲の演奏では、びっくりするような演出がありました。いや〜、やられたと言いますか、マジびっくりです∑(゚Д゚)

 曲の途中で、ステージ左奥に据えられたドラムセットに女性隊員の方が座って演奏されている音に気づきました。なんだか、迫力のある音で、叩く姿も格好良いし、ドラムのソロでもあればいいのになぁと思っていました。

 ところがやがて、ドラムにスポットライトが当たり、ステージの照明が暗転していきます。お、マジでソロ演奏? なんだかワクワクします。

 そこから、他の楽器は音を潜め、ドラムの音だけが会場内に響き渡ります。会場の皆さんは皆固唾を飲んでステージの一点を見つめている、そんな緊迫感が会場を包んでいます。延々と叩き続けられる中、フェイドアウトするのかと思いきやズドンと音が帰ってくるといった、多彩な表現が繰り出され、私たちを惹きつけます。

 演奏途中でも、素晴らしいテクニックが披露されると会場からは拍手と指笛が鳴り響きます。ソロ演奏が何分続いたのかはわかりませんが、相当長かったと思います。相当しんどいはずですが、最後までパワーは衰えず、迫力ある演奏を聴かせてくださいました。演奏が終わるや、割れんばかりの大喝采と指笛の嵐が彼女を祝福します。そしてステージにライトが灯ると、なんと、他の隊員の皆さんは楽器を置いたまま履けていました。大胆な演出によるソロ演奏、いやいや、これは「オンステージ」ですね。

 素晴らしいドラム演奏を聴かせてくださった女性隊員ですが、お名前を存じ上げておりませんので、ひょっとしたらご存知かと「ギャラリー」さんにお聞きしたところ、「サコダ」さんと仰るそうなのですが「迫田」なのか「佐古田」なのか、あるいは他の漢字なのかはわからないとのことでした。

 カタカナで失礼しますが、サコダさん、本当に素晴らしい演奏を披露してくださってありがとうございました!

 ドラムソロが終わり、隊員の皆さんが席に戻られ、隊長も再び登場され、会場からの拍手喝采に応えられました。

 

 ここで防衛協会から第1部、第2部それぞれの指揮者への花束贈呈が行われました。大きな花束でした。

 両指揮者が大きな拍手の中左そでへ履けても、喝采は鳴り止まず、やがて手拍子に変わっていきます。

 隊長と中川さんの登場です。そうなんです、軍艦の前に、もう一度中川さんの歌唱を聴くことができたのです。そしてそれは素晴らしい歌声でした。そうなんですが、曲名が思い出せないんです。よく聴く、とても馴染みのある曲なのですが、「日本の四季」で歌われた唱歌の類の歌だったことはわかるのですが、何が歌われたのか、どうしても思い出すことができません。残念です(≧∀≦)

 

 そして、本当の最後、これはもう言わずもがなの行進曲「軍艦」ですね。

 会場の皆さんの本当に本当に楽しみにしておられたようで、曲が始まると同時に手拍子が追いかけて行きました。私は、今回はじっくりこの曲を楽しみたかったので、手拍子はやめにして聴き入っていましたが、私の席から3列ほど前の左の方に、小学校3〜4年生くらいの女の子が座っていたのですが、軍艦が始まると、立ち上がって大きな手拍子を送っていました。その姿がまた、とても可愛かったです。

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 うん、宇都宮まで行ってよかった。「いかづち」さん、お声がけ頂きありがとうございました。本当にいい演奏会でした。会場もほぼ満席でしたし、隊員の皆さんも演奏し甲斐があったのではないかと思います。

「ギャラリー」さんによると、やはり、「今日の横須賀音楽隊は演奏に気合が入ってたような気がする」、サコダさんについても、「今日の演奏が一番よかったと思う」と仰っていました。やっぱりそうですよね、感染防止のためだとしても、空席の目立つ会場では士気が上がりません。ぎゅうぎゅう詰めの会場で精一杯演奏し、精一杯声援を送る、そんな日常はやがて戻ってきます。きっと戻ります。戻しましょう。

 横須賀音楽隊の皆さん、素敵な演奏をありがとうございました(╹◡╹)

 

3年ぶり「世田谷ボロ市」での東京音楽隊/ report by IKAZUCHI

 今回は、「いかづち」さんからのレポートです。去る12月15日に世田谷区の三軒茶屋で開催された恒例の「世田谷ボロ市」に参加した東京音楽隊について、現地で見聞きされた内容を記事にしてくださいました(╹◡╹)
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 12月15日、3年のぶりに開催され今年で445年と言う歴史の有る世田谷ボロ市に行って来ました。
 目的はもちろん東京音楽隊のパレードですが、先ずはボロ市の紹介をしなくてはいけません。本来なら私が書かなくてはいけませんが、ここは世田谷区の公式ホームページをご覧ください。(超手抜きm(_ _)m)
 アプローチは渋谷駅から東急バスで行って見る事にしました。平日の通勤ラッシュが終わった時間帯とは言えやはり都心公共交通機関は混んでいますね。渋谷駅に降りるのは何年ぶりでしょうか?駅周辺の工事がまだまだ続いています。初めて通る通路で西口のバス停に向います。
5番乗り場から祖師ヶ谷大蔵駅行きのバスに乗ります。

 降車する世田谷駅までの間、東京音楽隊の演奏会でお邪魔した人見記念講堂の有る昭和女子大学の前を通り三茶の交差点から世田谷通りに入ります。環七を横切るともうすぐで世田谷駅バス停です。
 バスを降りると歩道には多くの人が歩いています。下調べをした際身動き出来ない位の人出が有ると書いているのを思い出しました。パレード開始が11時との事、後1時間程有ります。
 平日の開催でこの人ですから日、月開催の来年1月はどうなってしまうのか?ちょっと怖くなりました。
 
 お目立ての東京音楽隊のパレードは円光院からスタートし、ボロ市通りの代官屋敷を経由ボロ市の開催されている通りの数カ所で演奏をされる形となっていました。

 スタート地点の円光院前で待っていると地元の小学校鼓笛隊の生徒さんたちが歩道を歩いて来るのが見えます。一緒にパレードに参加されるようです。その他にも中学校の吹部の生徒さんの姿も見えます。開始時間になると小学生、中学生、東京音楽隊の順にスタートしていきます。

 今回、東京音楽隊に旗持ちはいらっしゃいませんでした。
 
 ドラムメジャーは音楽祭でも担当されていた前嶋一曹です。コロナがまだ完全に収まったとは言い切れない状況ですからコンパクトな編成にまとめたのかもしれません。

 何しろ人が多いものですからどんと構えて撮影は出来ません。手持ちの撮影に加え、目の前を通過したら、次の撮影場所に直ぐ移動の繰り返し。
 従って動画としては良い構成の物が出来ませんでした。今回は画像のみでお許しを。

皆さん、格好良かったですよ。👍
パレード自体は1時間ちょっとでした。
 
 音楽隊の引き上げたボロ市通りは、出店で買い物をされる方々で瞬く間に埋め尽くされて行きました。さて、次なる目標に向かいます。
 何か分かりますか?
 感の良い方ならあ〜と思うはずです。
 そう、それです!
 ここまで来てあそこに立ち寄らない訳には行きませんよね?
 東京音楽隊です。
 初めて立ち寄る事になります。

 ググりながらテクテクと高級住宅街を歩いていきます。見たことも無い大邸宅や高級マンションが次から次に目に飛び込みます。

 やはり世田谷ですね。馬事公苑側からアプローチ。

 部隊前に到着すると車の入れ替えをされる隊員がいらっしゃいました。黒塗りのワンボックス。
 普段は隊長用として使われている車かもしれません。正門の東京音楽隊の看板を撮影していたらその右にガラス張りの掲示版が有る事に気付きました。 

 何か貼ってありますね。近寄ってよく見ると来年のカレンダーでした。さらに見ていくと希望される方は受付までと有ります。
 受付?と言う事は東京音楽隊の敷地に入れると言うことですか?(内心ガッツポーズ)しかし、正門はしっかりと門が閉じられています。

 勝手に入ってつまみ出されても笑い話になりません。車の入れ替えをされていた隊員の方がまだいらっしゃいましたので念のため確認したところ大丈夫です。どうぞと言って頂けましたので恐る恐る門を開け、受付に歩を進めます。建物の中に入ると当直士官の方が直ぐに出て来て下さいました。本当に直ぐです!流石、自衛官と内心唸ってしまいました。(受付の中にはトランペットの本田さん、フルートの大川さんが忙しそうに業務をされている姿が見えました。)
 どなたが当直だったと思いますか?
 私の事ですからもしかしてあの方?
 いいえ違います。サックスの石飛さんでした。
 今日のボロ市パレード、皆さん素敵でしたとお伝えし川崎ミューザ、赤レンガの演奏会でのソロがとっても格好良かったですと話しながらカレンダーを頂きました。
 お話しさせて頂いて気付いたのですが、とても素敵な声をお持ちです。歌声も聞いて見たくなりました。
 
 コロナ禍で出不精になっていましたが、これで一年の締め括りが出来そうです。
あー楽しかった!
 皆さんもカレンダーを頂きに行かれたらどうでしょうか?😊
 次の目的はコーヒーを頂くことにします。(なんの根拠もありません)
 これはハードルが高そうですよ。
 
 追伸:ホルンの川上さんのお姿を拝見しました。佐世保からお帰りなさいかもしれません。川上さんのヤマトも聞きたいな~。
 
以上
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 「いかづち」さん、ありがとうございました。東京音楽隊訪問まであったのですね。なかなか簡単に足を運べるイベントではないだけに、現地からのレポートは大変ありがたいものだと思います。改めてありがとうございました(╹◡╹)

「自衛隊ふれあいコンサートin長野」に行ってきました(その2)

 昨日、長野でのふれあいコンサートの会場に辿り着くまでの経緯を報告しました。  

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 今回の演奏会は、東京音楽隊の自主広報ではなく、長野地方協力本部を通じた、長野市防衛協会・長野商工会議所共催による「自衛隊ふれあいコンサート」への協力という形になりますので、演奏会に先立ち、長野市防衛協会会長様からのご挨拶がありました。昨今の我が国周辺の緊迫した国際軍事情勢に触れ、国内、特に国会議員の間に危機感が全く感じられないことを憂いておられました。

 続いて、長野地方協力本部長の林秀彦・1等陸佐よりご挨拶があり、自衛隊に馴染みの薄い長野県では、新隊員の募集が難しい実態を吐露され、会場に向かい、理解と協力が求められました。そこで、会場入りする際の長い列で私の前におられたご婦人方の会話を再び思い出しました。「人数はすごく多いけど、若い人はあまりいないわね」「ほんと、年配者ばかりで・・・、本当は入隊してくれるような若い人に来て欲しいんだろうけどねぇ」・・・耳が痛い言葉ではあります(≧∀≦)

 ご挨拶が終わり、以後の進行が東京音楽隊に委ねられる前に、運営側のアナウンスがありました。

 「ただいまから国歌の斉唱を行います。ステージ上、国旗が入場いたしますので、会場の皆様はその場にご起立ください」

 そして右袖から、陸上自衛官に護持された国旗が入場、同時に左袖から橋本晃作さん、三宅由佳莉さんのお二人がその順番でステージ上に登場されました。お二人による国歌「斉唱」なのか、会場の皆も歌う斉唱なのか、どっちかな、と思っておりましたら、アナウンスが「会場の皆様は声は出さなくて結構ですので、心の中で一緒に斉唱していただけたらと思います」とのことでした。これもウィズコロナならではの配慮なのでしょうけど、私は久しぶりに大きな声で歌いたかったな(≧∀≦) それはさておき、三宅さん、橋本さんのお二人による国歌「斉唱」は、心が澄み渡るような本当に素晴らしいものでした。この時点ではまだ、場内撮影禁止などのアナウンスはされていなかったので、しれっと撮影すればよかったと思いました(≧∀≦) いつも後知恵です。

 国歌斉唱が終わり、お二人が左袖へ、国旗が右袖へそれぞれ退場した後、それぞれの楽器を手にした隊員の皆さんが両袖から次々と入場してこられると、会場からは大きな拍手が送られました。今回の演奏服は、タキシードタイプの演奏服でした。2022年7月29日に東京オペラシティで開催された「音楽の『たまて箱』」でお披露目となった新演奏服の冬服(黒)だと思います。

■第1部

 隊員の皆さんが席に就かれたところで、ステージ左奥のパーカッションエリアから、吉田佳奈恵さんがマイクを手に進み出てこられました。

(この写真は、2019年の東郷の杜音楽祭でMCを務める吉田佳奈恵さんです)

 いつものように素敵な笑顔で滑舌良く「みなさんこんばんはー」と呼びかけられると、会場からも大勢の方から「こんばんはー」と反応が返ります。大ホールならではのこの感じがいいですね(╹◡╹)

 ちなみに、吉田さんは、2019年の東郷の杜音楽祭(上の写真)のほか、先日横浜みなとみらいで開催されたフリートウィーク野外演奏会でのMCも見事にこなされてましたね。以前、練習艦隊音楽隊に派遣されていた際には、海外での演奏会で英語を交えたMCもされてました。滑舌がとても良いので聞きやすく、ちょっと抑え気味の茶目っ気が垣間見えて、それが独特の魅力になっています。今後もMCの機会が増えていくのでしょうか、楽しみです。

 「これからのひととき、海上自衛隊東京音楽隊の演奏をお楽しみください」…(はい、そうします(╹◡╹))

 吉田さんは、今年が海上自衛隊創設70周年、そして東京音楽隊開隊70周年に当たることなどを紹介された上で、「最初にお送りするのは・・」と曲紹介を始められましたが、ステージ中央の指揮台の上には誰もおられない状態なので、ちょっと「あれ?」と思いました。

■1曲目:波に映るは暁の色

 「最初にお送りするのは、海上自衛隊創設70周年を記念して作られた委嘱作品、『波に映るは暁の色』です。作曲者は、『艦隊これくしょん』通称『艦これ』に多くの作品を提供してこられた亀岡夏海さんです。亀岡さんによれば、この作品は3つの部分から成っており、最初は勇ましいファンファーレの中艦艇が出航していく様が、続いて洋上でのひと時の静寂に包まれる艦の佇まいが、そして最後に艦上から発進する航空機の躍動感と浮揚感が表現されているそうです。」ここで、左袖から長岡・前横須賀音楽隊長が登場されたので「お」と思っていると、吉田さんが「指揮は、東京音楽隊副長、長岡英幸・1等海尉です」と紹介されたのです。

 長岡1尉は、今年(2022年)9月に横須賀音楽隊長から東京音楽隊副長に異動されていたのでした。図らずも、久々に長岡さんの指揮を拝見する機会が得られました。

 この曲を収録した動画はないものかと探してみましたが、どうにも見つかりません。まだ初演から日が浅いので、公式チャンネルにもアップされていないのでしょう。

 多分こんな感じかなー、と想像しながら心の中に流れるメロディを楽しんでみてくださいね(無理か(≧∀≦))

 演奏が終わり、会場からの拍手喝采に深々と礼をされた長岡副長は、指揮台を降りて左袖へ退場されます。

 ここでちょっと、ステージ上のことに触れておきますと、いつもと「全然違う」配置になっていたのがグランドピアノです。ステージ前面の左端に据えられているのですが、客席に背を向けて演奏する形で置かれています。このような設置の仕方を私は初めて見ましたが、どうなんでしょう、よくある方法なんでしょうか? 私たちファンからすれば、太田さんが演奏される様子、鍵盤の上で華麗に踊る手指の動きがよく見えるので、とても嬉しいことなんですが、観客に背を向けて演奏するのって太田さんにとってはやりにくいんじゃないかなぁとちょっと思いました。また、オルガンがグランドピアノの向こう側に置かれていたようで、太田さんが時々そちらに移られて演奏し、また戻ってくるという動きになっていました。zubizubizhyさんによると、松本公演では、ステージ余積の都合なのでしょうけど、オルガンがピアノから離れたステージ中央に据えられていて、太田さんがダッシュで(^ ^)移動されていたとのことです。いろんな工夫をしながら良い演奏を聴かせてくださってるんですね、ありがとうございます。

 

■2曲目:スピリティッド・アウェイ〜「千と千尋の神隠し」より

 日本が世界に誇るジブリアニメ、中でも巨匠の名を縦にしている宮崎駿監督による金字塔とでも言うべき作品が「千と千尋の神隠し」でしょう。そして、Spirited away とは「神隠し」の意味で、「千と千尋の神隠し」の英語タイトルでもあります。

 ここからは、東京音楽隊長、植田哲生・2等海佐の指揮となります。長岡副長の指揮は1曲目だけとなりましたが、副長としての指揮デビューということだったのでしょうか、曲の紹介の後に登場されたのも、その辺りを考慮したことなのかも知れません。

 この演目は、作品中で使用されている楽曲を巧みに組み合わせ、メドレイとして編まれたものです。出だしは「千と千尋」の摩訶不思議な世界観を下支えする、微かな不安感を伴った無機質であるが故に心に漣が立つようなサウンドを、赤嵜尚子さんとMC吉田佳奈恵さん、お二人のマレットが奏でていきます。次第にオーケストラの音が乗ってきて、重厚なサウンドに膨らんでいきます。そして、多彩な音が織りなすちょっと不安を煽る「千と千尋」の世界が描かれていきますが、一転、「いつも何度でも」の優しい旋律が聴く者に安心感をもたらしてくれます。ここでも、赤嵜さん吉田さんのマレットが美しいメロディを奏でていきます。お二人とも、楽器を離れた時のにこやかな笑顔とは打って変わってシャープに研ぎ澄まされた表情で演奏されていました。

 お二人の息のあった、精密な演奏が光りましたね。

 YouTubeから、動画を埋めておきます。

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■3曲目:誰も寝てはならぬ〜歌劇「トゥーランドット」より

 3曲目は、ジャコモ・プッチーニの有名な歌劇「トゥーランドット」からの1曲「誰も寝てはならぬ」です。架空の時代の北京を舞台に展開されるこの歌劇は、絶世の美女であるトゥーランドット姫に求婚する数多の諸侯に対し、結婚の条件として姫から出される三つの難問に答えられる者が現れない中、名を伏せた某国王子カラフは見事にこの難問をクリアしたにも関わらず、首を縦に振らないトゥーランドットに対し、明日の朝までに私の名を明らかにできれば結婚を諦めこの命も捧げよう、しかし明らかにできなければ姫は私のものだ、との挑戦を突きつけます。そこでトゥーランドットは、全国民に対しかの王子の名を明らかにするまで「誰も寝てはならぬ」と命じ、明らかにできぬ場合は国民全員皆殺しだと宣言します。北京では、昔も今も、そして架空の世界でも、同じようなことが繰り返されますね。そして、劇中でカラフが歌い上げるのがこの「誰も寝てはならぬ」というわけです。

 この曲を、東京音楽隊パヴァロッティとも言われる(私見です^_^)橋本晃作さんが歌い上げます。

 今年(2022年)7月に行われた「音楽の『たまて箱』」でも披露され、聴衆を驚かせたのですが、今回は更にグレードアップした豊かな声量で、大きなホールの隅々まで、優美なテノールのアリアを響きわたらせ、聴衆の皆様を歌劇の世界へと引き込んで行かれました。実に素晴らしい歌唱でした。会場の皆さんも、期待を大きく上回る筋金入りの声楽家のパフォーマンスに驚きそして満足されたのでしょう、惜しみない拍手喝采が続きました。橋本さんも、歌い切ったという満足感が表情に現れていました。橋本晃作の名を長野の地に刻むこととなった長野公演、橋本さんの今後の更なる成長の糧となることでしょう。これからが本当に楽しみな人材ですね。

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■4曲目:Sea of Wisdom /知恵を持つ海

 次の曲ですが、吉田さんの説明によると、清水大輔さんが、和歌山県のある中学校からの委嘱により手がけられた作品なのだそうです。冒頭、コンサートマスターの近藤悟史さんらが何やら手のひらサイズの楽器でカモメの鳴き声を出されていました。そんな長閑な雰囲気から始まるこの曲ですが、美しいだけでなく力強く、また私たちを生かしてくれる恵の海から感じ取られる様々なイメージが織り込まれた曲ではないかと思います。

 私は初めて聴く曲でしたが、力強いメロディーが大変印象に残ります。

 フィルハーモニック・ウインズ 大阪の演奏動画がありましたので、埋めておきます。

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 この演奏が終わったところで15分間の休憩に入りました。

 さて、第1部での岩田有可里さんはどうだったのでしょう、気になってる方も多いんじゃないでしょうか。岩田さんはコントラバス奏者としてステージ右端の定位置で演奏されていたのですが、私の席からはコントラバスのネックしか見えませんでした。ネックの上を忙しくかつ美しく渡り遊ぶ左手の優雅な動きは見えるのですが、お姿はほぼ見ることができませんでした。

 そして、休憩時間に入り、隊員の皆さんは両袖からはけて行かれますが、赤嵜さんはいつものとおり、パーカッションエリアの確認などをされるためでしょうか、暫くステージ上に残っておられました。また、岩田有可里さんも、コントラバスのチューニングと、2部で演奏されるエレキベースのチューニングをされていたので更に長い時間ステージ上に残っておられました。

 いつもなら、赤嵜さんや岩田さんの近くまで行って挨拶するのですが、今回、コロナ禍の中での開催であり、更に滅多に開催の機会がない長野での演奏会ということもあって、地元の聴衆の皆さんが東京音楽隊のコロナ対策に疑念を持たれるようなことがあってはならないと考え思いとどまりました。でも、久々に岩田さんのチューニングを生で拝見することができました。しかも、ベースのポジションは、他の隊員の皆さんが着席したとしても私の席からよく見えそうです。第2部では岩田さんが演奏する姿も拝見できそうです(╹◡╹)

 

■第2部

 15分の休憩はあっという間に終わり、第2部の開幕となりました。

 

■5曲目:鎌倉殿の13人 メインテーマ

 第2部のスタートは、今年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」メインテーマです。

 音楽隊の演奏会では、これまでも毎年、その年の大河ドラマのメインテーマ曲を演奏してきました。テレビ離れNHK離れが進んでいるとは言われていますが、未だ高い視聴率を誇っているのが大河ドラマであり、多くの国民にとって愛着のある楽曲であるからこそ、音楽隊が毎年取り上げているのだと思います。私の知る限り、本年も7月のたまて箱、9月の第64回定例演奏会、そして前日の松本公演に続き4度目の演奏となります。例年はもっともっと回数が多いです。

 私は見ていませんが(物理的に見れない(╹◡╹))、大変面白いドラマだそうですし、この曲を聴いていると何か心に火がつく感じがしますね。

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■6曲目:中央フリーウェイ

 この曲、私の年代だと青春真っ只中における、ヒット曲などという軽い存在ではなく、もう時代のベースを形作る楽曲の一つだったような気がします。松任谷由美さんがまだ荒井由美として活躍されていた頃の作品ですが、軽妙かつどうしようもなくお洒落な曲ですよね。吉田さんのMCです「今年は松任谷由美さんがデビューしてから50年の節目の年」「私たちも中央フリーウェイつまり中央高速道を通ってここ長野までやってまいりました」なるほど、様々な縁を繋いで楽曲選定が行われているんですね。それにしても、松任谷由美さんのデビューからもう半世紀になるのかと、ちょっと驚いた次第です∑(゚Д゚)

 東音の動画はなかったので、陸自東部方面音楽隊のランチタイムコンサートでの演奏動画を埋めておきます。

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■7曲目:地上の星

 吉田佳奈恵さんによると、中島みゆきさんは、今年て70歳なのだそうです。びっくりです。松任谷由美さんのデビュー50周年にもびっくりしましたが、それ以上に驚きました。つまり、海上自衛隊と同い年ということですね。それもあって中島みゆきさんの、ある種代表曲でもある「地上の星」が選曲されているのでしょう。実はこの曲、今回の長野公演で初めて演奏されたわけではありませんん。naturalさんがこのブログにレポートを書かれた、ミューザ川崎での第64回定例演奏会で披露されているのです。naturalさんのレポート内容と今回の演奏を突き合わせると、おそらく同じアレンジではないかと思われます。

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 この曲、歌唱付きです。誰が歌った? もちろん、我らが歌姫三宅由佳莉さんです。

 それにしても驚きました。こんな三宅さん見たことないです。

 演奏会前に、jubijubizhyさんが、「恐ろしい歌です、眠れなくなりますから気をつけてくださいね」と仰っていた理由がよくわかりました。

 左袖から登場された三宅由佳莉さんは、いつものとおり満面の笑顔で観客席に手を振りながらステージ中央よりの立ち位置に向かいますが、イントロが始まると表情は一変、仁王立ちする鬼神のごとき迫力と、今にもレーザービームを照射しそうな鋭い眼光で会場を睥睨します。

 そして、キレのいい身のこなしと共に、ソプラノ歌手とは到底思えない凄みの効いた低音の歌い出しで「ハッ」とさせられます。「誰が歌ってるの?」と一瞬意味不明の混乱に陥りました。目は三宅さんの歌う姿を捉えているものの、脳内で整合が取れるまでに時間がかかったのだと思います。いやびっくりです。

 そして、途中で何度か途轍もない高音域での歌唱が突然入り、度肝が抜かれます。

 演奏前の紹介で、「歌姫三宅由佳莉2曹が、この歌を、今年て10万59歳を迎えたあの閣下のバージョンでお送りします」的な紹介をされていました。naturalさんのレポートでも、いかづちさんのメモとして「アレンジがデーモン小暮閣下バージョン。すっかり閣下モードで歌い上げます。本当にゲームチェンジャー三宅!健在です。」とありました。これ読んだだけじゃよく意味がわからなかったのですが、今回よーくわかりました。

 最後に高笑いをされるというオプションもありではないでしょうか(ないか(≧∀≦))

 例のインスタグラムで、お仕着せのイメージの殻を徐々に破り、最後は木っ端微塵にして、自らを解放された三宅由佳莉さん。今ではすっかり伸び伸びと表現者としてのご自分を満喫されているのかと思いきや、まだまだ進化(いや革命か?)の途上にあるようです。

 眼光鋭いままで歌い終わった三宅さん、パッと笑顔に戻り身のこなしも柔らかく喝采に応えて、またにこやかに会場に手を振りながら退場されました。

 もうフォローしきれない速さでトランスフォームして行かれますね、三宅さん(^^)

 とは言え、この歌の歌詞にご自分なりの考察を加えてその意味を深く理解された上でこの歌に臨まれています。これもいつものことだとは思いますけど。

 naturalさんのミューザ川崎レポートからの抜粋です。

三宅由佳莉さん、Twitterでご自身なりの歌詞の解釈をされています。

3オクターブの音域を使う挑戦的なアレンジで歌の持つ世界観を表現してみました。

  ペガサス=男

  ヴィーナス=女

  空=憧れ

  氷=消えて無くなる物

  つばめ=プロジェクトX(無名の人々に光を照らした番組)

  照らすまでもなく輝いている地上の星(あなた)へ

これを見事に表現されたと感じました!由佳莉さん、本当に素晴らしいです!👏👏👏

 いや、お見それしましたm(_ _)m

 この曲については、動画は埋めません。どんな動画を持ってきても、三宅さんのあの歌のイメージに近づけるわけないですから。

 

■8曲目:ホワイト・クリスマス

 デーモン三宅の破壊的なエネルギーが充満した会場は、軽いパニック状態でザワザワしていましたが、吉田佳奈恵さんが、「ここからは、クリスマスナンバーをお送りします」と紹介され、ちょっと会場も落ち着きを取り戻します。

 そして、クリスマスナンバーの最初に演奏されたのが、極めてオーソドックスな「ホワイト・クリスマス」でした。鎮静剤的な役割でしょうか。

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■9曲目:jing, jing, jing(ジング・ジング・ジング)

 吉田佳奈恵さんのMCです「次にお送りするのは『ジング・ジング・ジング』です。皆さんの中には『え?シング・シング・シングじゃないの?』と思われた方もおられるのではないでしょうか。実は、『シング・シング・シング』と『ジングル・ベル』をミックスして編曲されたナンバーとなっています」

 ということで、このナンバーもよく演奏されますし、とても楽しい楽曲です。

 私が初めてこの曲を生で聴いたのは、2018年12月にすみだトリフォニーホールで開催された東京音楽隊第59回定例演奏会(ハートウォーミングコンサート)でのことでした。その時は、静寂の中、いきなり爆弾が破裂したのかと思うような、中村圭吾さんの凄まじいドラムの音から曲が始まりましたので、今でも強い印象が残っています。

 今回はそのような爆発的なスタートではありませんでしたが、やはり素敵で楽しい楽曲であることには違いありません。

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 特筆すべきは、清水恭子さんのクラリネット・ソロでしょう。ステージ中央に出てこられて、体を小刻みにスイングさせながら、とても楽しそうに演奏されている姿はとても素敵でした。清水さん、ちょっとイメージが変わったような気がします。髪型でしょうか、より洗練された知的ビューティという感じです。その演奏とも相まって、またファンが増えそうですね(╹◡╹)

 そして、この曲では岩田有可里さんのベースがズンズンと心地よく腹にまで響いてきました。私の席からは、このノリのいい曲を楽しみながらベースを弾いておられる岩田さんの姿が真正面から見えますので、第1部とは打って変わって、演奏される姿もあわせてベースの響きを楽しむことができました。演奏後、隣席に座っておられたギャラリーさんも「岩田さん、カッコよかったですねー」と大満足されてました。ほんと、かっこよかったです、あ、いつものことか(╹◡╹)

 

■10曲目:クリスマス・キャロル・ファンタジー

 吉田佳奈恵さんが「早いもので、次にお送りするのが最後の曲となってしまいました」と紹介されました。クリスマスナンバーの最後、そしてこの演奏会の最後の曲目は、クリスマス・キャロル・ファンタジー、定番のクリスマスキャロルをメドレイ風にアレンジされたもので、聴いているとクリスマス気分が自然と盛り上がってきます。この時期の演奏会の締めくくりとしては最適ですよね。

 2017年12月にすみだトリフォニーホールで開催されたクリスマスコンサートでの演奏動画が海自公式ページにありましたので、それを埋めておきます。

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 演奏が終わり、大きな拍手が鳴り続ける中、植田隊長は観客席を振り返り、深々とお辞儀をして左袖に退場されました。

 会場からは「アンコール!」の声もかかり、拍手は鳴り止みません。

 と、意外と早く植田隊長が再び登場されたのですが、ここで場内アナウンスが入り、地元の生徒さんから花束の贈呈があるとのことでした。

 植田隊長と、コンサートマスターの近藤さんがお二人の女子学生からそれぞれ花束を受け取られます。

 

■アンコール

 学生さんたちが退場されたところで、植田隊長が指揮台に上がられました。「軍艦」だなと思っていると、左袖から三宅さんと橋本さんが出てこられました。え?歌唱付きの軍艦? いや、自主演奏会でもないのに、それはやらんだろうと思っているうちに植田隊長のタクトが振られ演奏が始まりました。・・・全然知らない曲です。

 それもそのはず、長野県歌「信濃の国」という曲だったのです。

 私たちは知りませんが、地元長野の皆さんにとっては馴染み深い郷土の歌です。会場から大きな手拍子が聞こえてきました。おお、なんだこの一体感(*'▽'*)

 地元の皆さんに馴染みのある歌はとても大切ですね、いい感じでした。

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 「信濃の国」で皆さんが盛り上がり、拍手喝采を受けて、植田隊長が「もう1曲ね」というジェスチャをされ、またステージに向き直ります。 

 今度こそ「軍艦」でしょう。

 当たり!(そりゃ当たるわな)

 この曲も、もちろん皆さん大きな手拍子で参加します。最後の「軍艦」はやっぱり文句なしに盛り上がりますね。最高です。最高なんですけど、この演奏が終わったら、演奏会も終わってしまうんだな〜と思いながらの盛り上がりなんです。盛り上がってるんだけど、ちょっと寂しい。そんな感じです。

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 演奏が終わり、大喝采の中、植田隊長は皆さんに深々とお辞儀をされ、左袖に退場されようとしますが、途中で立ち止まり、手招きで三宅さんと橋本さんを呼びます。

 お二人が登場して会場に向かって手を振り、お辞儀をすると、会場はまた一段と盛り上がりました。女性ボーカリストだけでなく男性ボーカリストを加え、東京音楽隊の2枚看板にするという構想は大当たりだと思います。

 さらに表現の幅も奥行きも広がった東京音楽隊の、今後の一層の活躍に期待して良いと思います。音楽隊の皆さん、お疲れ様でした。そして素敵な演奏をありがとうございました(╹◡╹)